「Work for the Dole制度は廃止すべき」

制度で事故死した少年の父親が政府に訴え

 Work for the Dole制度は失業保険受給と引き換えに一定時間指定された仕事や社会奉仕を義務づける主旨の制度で、1996年のジョン・ハワード保守連合連邦政権発足以来、様々な形で続けられており、特に保守連合政権期には強化される傾向にあり、指定された作業に就かない場合には失業保険が停止される。

 しかし、現実の問題を無視した、若年失業者に厳しすぎる制度として批判を受けてきており、2年前にはこの制度で仕事に従事していた十代の少年が事故死しており、労働組合、法曹界、少年の父親が、「この制度は未熟練の若者を訓練もないままに危険な作業に就かせることになっており、見せかけの制度でしかない」と批判を強めている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 連邦政府の雇用中小企業担当省は、「この制度は求職者に技術を身につけさせると同時に仕事への自信を与え、新しい人々と出会わせ、保証人になれる人々に近づける制度」と主張している。

 しかし、このプログラムに詳しいメルボルンのデビッド・ビーティー弁護士は、この制度で指定された仕事に従事している際に負傷した求職者の弁護を引き受けており、「この制度は失業保険受給者に対する懲罰的な制度で仕事への意欲を与えることもなく、求職者を十分な保険その他の保護もないまま危険な作業に従事させるようになる見せかけの制度でしかない。この制度で技術を身につけた者に会ったことがない」として厳しく批判している。

 2年前、QLD州のジョシュ・パーク=フィンさん(18)は、州南部のトゥーンバのショーグラウンドでWork for the Doleの指示した仕事に従事している間に車両事故で死亡した。父親のイアン・パークさんは、「息子は成人したばかりで、その仕事に就いたが、仕事の安全性が心配だと語っていた。事故死する4時間前に、背中を傷めたから、仕事を休みたいとしていた。しかし、その制度では仕事を休むことは難しかった。息子はトラクターが牽引するトレーラーに乗って移動していたが、投げ出されて死亡した。その制度で働く若者は仕事に合わせた十分な訓練を受けないまま働かされていることを示している。誰も、この制度でやっていることが分かっていない。そのために当然起きるべきことが起きて息子は亡くなった」と語っている。

 事故から2年経ってもまだ、ショーグラウンドの雇い主、事故当時の監督、仕事を指定した斡旋機関などを被告として裁判が続けられている。また、事故当時にミカエリア・キャッシュ雇用担当大臣が指示して行わせた複数の調査の報告書も未だに公開されておらず、ABC放送が要求したにもかかわらず、キャッシュ大臣からのコメントはない。

 この制度では30歳未満の失業保険受給者は年間のうち6か月は、週25時間働くことが義務づけらている。政府の示す制度の建前に対して、労働組合はこの制度による雇用がしばしば劣悪な労働条件で、しかも官庁の監督も行き届いていないと指摘している。

 2016年には連邦政府が負担して行った調査で、Work for the Doleの雇用現場の64%が平均的な安全衛生基準を満たしていないと結論を出したが、その連邦政府がこの報告に反論している。
■ソース
Work for the Dole ‘should be scrapped’, say family of teen who died while working for the program

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