貧しい生徒のために教師達が自腹を切って文房具

調査回答の教師の93%が年間$2000にも

 オーストラリア教職員組合AEUの調査報告書「State of Our Schools」が公開され、シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)がその内容を伝えている。

 調査に回答した7804人の教職員、学校長、サポート職員は、生徒個人、スポーツ設備、遠足などの資金不足を補うため自分の懐から金を出しており、貧しい生徒の文房具購入には78%の教師が、教室の設備には76%が、また図書室の補充や教科書には44%の教師が自分で負担していることが明らかにされた。

 そのような教師の一人、マンディ・ウェルズさんの場合、難民の子弟は親が鉛筆その他の文房具や鞄も買えない。フェルト・ペン、鉛筆削り、消しゴムとなるとさらに持っている子供が少なくなるため、生徒のためにウェルズさんが自腹で揃えている。「毎学期、生徒の親が買えないようなものを買って用意している。授業で子供達が必要とするようなものを毎年900ドルから2000ドルくらい買い込んでいる。私の同僚の中にはもっと使っている人もいると語っている。

 さらに、「子供達には勉強する気にさせなければならないけれど、英語が話せない子供達もいるし、朝食も昼食も食べない子供達もいる。鞄も文房具も持っていなくて、家には本もない」と語っている。

 また、全国では86%の学校長が、NSW州だけでも90%の学校長が学校予算を補うため、保護者らから寄付を募るイベントを考えたことがあると答えている。集めた金の32%ほどが学校メンテナンスのために使われている。

 AEUの副議長でNSW州教職員組合議長のモウリー・マルヘロンさんは、「社会経済的に不利を受けている地域ほど教師が負担する傾向は強くなる。この子供達が社会生活を営めるようにするためには大規模な学校予算が必要だ。しかし、生徒のために出した金は税控除されない」と語っている。

 公立学校の教師らは、連邦政府が公立学校には追加資金を出さず、私学には総額で46億ドルの資金を出すなどしていることに不満を感じている。教師の一人は、「不満というのは抑えた表現。ほんとうに腹が立っている。連邦政府がなぜそういうことをするのか理解できない」と語っている。

 一方、連邦政府のダン・ティーハン教育相は、「連邦政府は全ての学校に記録的な額の教育資金を出している。公立学校に対しては、連邦は25%を負担し、州政府が75%を負担することになっている。貧しい生徒を抱えているのは公立学校だけではない、独立系やカソリック系の私学も公立学校に適応できない子供を教育している」と語っている。
■ソース
‘No pencils, no lunch’: why teachers dip into their own pockets

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