モリソン首相が独り決め独り発言で寝耳に水

駐イスラエル豪大使館移転案、省官僚に相談せず

 10月15日、豪外務省のフランセス・アダムソン事務次官がマリス・ペイン外相執務室から電話を受け、駐イスラエル豪大使館をテル・アビブからエルサレムに移転するというスコット・モリソン政権の案を知らされた。通常、このような重大な決定は閣僚が管掌省庁と相談するものだが、事務次官も知らされていなかった。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えている。

 10月25日朝の連邦議会上院予算委員会はアダムソン事務次官の証言で、この重大な外交政策が外務省官僚に相談なく決められたことを知ることになった。しかも、モリソン発表はユダヤ系市民の多いウェントワース選挙区補欠選挙中のことであり、自由党候補にユダヤ票を集めようとしたのではないかといわれている。

 モリソン首相は14日にペイン外相に「大使館移転案」を伝え、また、内閣の国家安全保障委員会のメンバーにも個別に口頭で伝えている。また、ペニー・ウォン労働党上院議員の質問に対しても、ペイン外相は、モリソン首相と、ウェントワース選挙区問題について触れたかどうかを明らかにしなかったが、モリソン発表までアダムソン事務次官にも知らされていなかったことは認めた。そればかりか、モリソン首相は内閣首相府高官にも相談していなかったことが明らかにされた。

 そればかりでなく、中東でのオーストラリアの立場を大きく変えることになるこの大使館移転問題を豪国防省が知ったのは発表の日であり、アンガス・キャンベル司令官に至っては搭乗機がワシントンに到着するまで知らされなかった。

 予算委員会で、ペイン外相は、「政府はまだ移転案決定を検討中であり、追々そのプロセスを明らかにする」と証言した。これに対して、ウォン議員は、「このような重要な案件を大急ぎで発表しておきながら、これだけ日が過ぎても未だにどう答えていいか分からないのか? まったく理解に苦しむ。48時間でオーストラリアの外交政策の変更を決めておきながら、1週間以上すぎてもまだどうするか決められないとは」と批判している。
■ソース
Not one government official was consulted about Australia’s major Israel foreign policy shift

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