「難民医療移送法が国境警備に悪影響は間違い」

国内情報機関局長、オーストラリアン紙名指し批判

 「難民医療移送法」は労働党、緑の党、大多数の無所属議員の賛成で成立したが、これに対して保守連合政権閣僚らは、「労働党の立法で我が国の国境警備が弱体化する」と発言している。これを受けて保守系紙のオーストラリアン紙も、「国内情報機関、ASIOは政府宛の機密文書で『新立法で国境警備が弱体化する』と進言している」と報道した。

 これに対して、ASIO局長が、「当局の機密文書の内容が間違って伝えられた」として、オーストラリアン紙の報道を厳しく退けた。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 連邦議会上院調査委員会で証言席に座ったASIOのダンカン・ルイス局長は、政府の情報をそのまま伝えたオーストラリアン紙の報道がASIOの進言を間違って伝えていると批判している。

 さらに、「ASIOの進言内容は新立法がASIO法に関わる部分に限定しており、国境警備問題全般について言及したものではなく、オーストラリアン紙の第一面に書かれているようなものではない」と否認している。

 2月7日付オーストラリアン紙の第一面は、「フェルプス法案は国境警備のリスク:ASIO見解」して、ASIOその他の政府機関の答申に基づいて内務省部内で作成した機密文書の内容を暴露、「クリスマス島の入管収容センターを再開しなければならなくなり、また人間密輸業者が再び活動を始める」としている。

 2月7日にラジオに出演したピーター・ダットン内務相は、「法案は国家にとって大きな災厄。難民船渡来が活発になるだろうとビル・ショーテン労働党党首に伝えたが、ショーテン党首は情報機関の進言を無視した」と、ショーテン労働党党首を批判している。

 ルイス局長は、「間違った答申内容をASIOの進言と報道したり、政府が機密文書を漏洩したりしたことは当機関の存在の根拠を危うくするものであり、このようなコントロールの破断は深刻なダメージをもたらすものだ」と内務相を含めて政府を厳しく批判している。

 マイケル・ペズロ内務省事務次官は、ASIOなどの機密文書が政府関係筋から漏洩された一件を連邦警察(AFP)に照会し、AFPが既に捜査を開始している。

 また、同局長は、「ASIOは、国家安全保障関係の問題に関して、無許可で情報を公開することで国内議論に影響を加えることはしない。私はASIO職員の廉直さを信じており、オーストラリアン紙がほのめかしたような漏洩元がASIO職員だというようなことはあり得ないと考えている」と強調している。

 ペズロ事務次官は、「オーストラリアン紙の報道でも、漏洩元が内務省であることは確かだ」と語っている。
■ソース
‘Seriously damaging’: ASIO says advice on border security was misrepresented

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