モリソン首相、石炭産業継続支持を明らかにする

世界最大の資産管理企業は撤退をほのめかす

 世界最大のアセット・マネージャ会社が石炭産業から撤退をほのめかし、また、国内の新しい世論調査では気候変動を憂慮する国民が増えていることも示されているが、スコット・モリソン連邦首相は地下資源部門を支持すると発表している。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 7兆米ドルの投資家の資産を預かるブラックロック社のローレンス・フィンクCEOは、投資においても気候変動と持続可能性を中心に考え、石炭企業に投資している一部資産を引き揚げる考えを明らかにしている。

 1月15日、ブラックロック社の決断について質問されたモリソン首相は、「石炭は我が国の経済にとって年間700億ドルの重要な資産だ。我が国全土のコミュニティにとっても重要だ」と答え、さらに、当政府は排出量削減目標を達成し、さらにそれを突破する。国民を増税したり、電気料金を引き上げたり、石炭産業に依存している人々の足許をすくうこともせずに達成できる。それがオーストラリアの国益になるようにバランスのとれた政策を取るつもりだ」と語っている。
 同社はInvestor Group on Climate Changeにも加わっており、フィンクCEOは、「世界は気候変動のために金融が根本的に造り替えられようとしている」と述べている。

 ブラックロック社は、「当社では、持続性に重点を置いた資金投資が急激に増えており、株主総会においても環境に対する事業のインパクトの公開が遅く、また、インパクトをやわらげる措置の遅れている企業に対しては厳しい投票をしている」と発表している。

 進歩派シンク・タンクのAustralia Instituteは、国家的な気候災害基金の設立と基金の財源として化石燃料生産に対する特別税でまかなうことを提案している。

 2019年5月の連邦総選挙戦で、労働党の気候変動政策に対してモリソン氏の率いる保守連合は、「経済を破壊する野心的な目標」と攻撃しており、モリソン政権はかつて批判した「野心的な目標」を採用することを拒んできた。

 しかし、現在、カレン・アンドルーズ科学相は、「気候変動は現実かウソかなどという議論ではなく、現実の対策に進むべきだ」と保守連合政権を批判し始めている。

 しかし、保守連合バックベンチの一握りの保守派議員は気候変動否定論で目立った活動をしている。アンソニー・アルバネージ労働党党首は、「クレーグ・ケリーやジョージ・クリステンセンらバックベンチ議員が派手な活動で保守連合政権の気候変動政策を10年以上も遅らせてきた」と語っている。
■ソース
Morrison backs coal despite BlackRock signalling retreat from fossil fuels

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