「黒い土曜日の特別調査報告書に戻るべき」

専門家、火災の危険な土地での住宅再建に反対

 メルボルン大学の火災環境学研究者、ケビン・トルハースト博士は、「オーストラリアの自然にはもともと家を建てるべきではない土地がある。ブッシュファイアで家を焼かれたなら、そこに家を建て直すべきではない。そこは住むには危険すぎる土地だと言うことだ」と語っている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 博士は、2009年2月にVIC州各地で発生した大規模なブッシュファイアで173人が亡くなり、400人以上の負傷者を出した「ブラック・サタデー(黒い土曜日)」火災の後、火災の危険の大きい地区での住宅再建を放棄し、安全なところに転居することが検討された。特別調査委員会は報告書に67項目の勧告を盛り込み、ジョン・ブランビーVIC州首相(当時)は、「リスクの高い所有地を任意で政府が買い上げる」という1項目を残して他の勧告を全て受け入れた。

 特別調査委員会は、焼失した家屋を元通りに再建したい気持ちには理解を示しながらも、「経験から学ばない失敗を犯すことになる」と述べている。また、他の人に転売すればそれは危険を他人に譲ったことになる。しかし、州政府に売り渡し、州政府が火災緩衝地帯を造り、人は他の安全な地域に移住すれば危険はなくなると述べている。

 結局、どこの州でも人々を安全な土地に移住させるよりも、リスクの高い地区の住宅建築の厳しい防火規制を適用するに留まった。建築規制は1990年代に最初に導入され、その後、次第に強化されてきた。現在、「火災地区」に指定されている地区の住宅建築には不燃材の使用、金属スクリーンの厚い窓などの規制がある。

 Bushfire Building Council of Australiaのケート・コッターCEOは、郡部の住宅物件の入れ替わりは少ないため、ほとんどの家が将来の火災には耐えられないだろうと語っている。また、火災危険地区にある住宅は100万戸を超えており、買い上げはコストがかかる上に現実的ではなく、古い家を改造して耐火構造にする方が安上がりだが、その耐火構造改造費さえ小さくはない。
■ソース
Bushfire experts say it’s time to revisit Black Saturday recommendations and stop people rebuilding in highly dangerous areas

新着記事

新着記事をもっと見る

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る