裕福な地域に厚い国家障害者保険制度

貧困地域の障害児童の待ち時間2倍にも

 自閉症など成長障害のある児童が診断を受けて全国障害者保険制度(NDIS)の適用を受けるまでの期間が裕福な地域の児童の2倍にもなることがABC放送の調べで明らかにされている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ABC放送の調査で、この何十億ドルもの予算をかけた制度による早期介入治療の適用を受けるまでに要する日数が児童の住所によって大幅に異なることが明らかになっており、しかも、社会経済的に貧しい地域ほどその所要日数が延びるため、「成長期アパルトヘイト」と呼ぶ専門家もいる。

 各病院の記録を分析した結果、社会経済的に貧しい地域の児童は、連邦政府の援助を必要とする診断結果を受けるまでに2年かかっているが、裕福な地域の児童ではわずか2か月で受けられるところもある。

 自閉症児童の場合、早期発見と早期介入が重要とされるが、シドニー南西部キャンベルタウン病院の場合、診察申し込みから診察を受けるまで23か月かかる場合もある。しかも診察を受けるまでNDISによる国家補助を受けることはできない。

 オーストラリアを含めた国際的なガイドラインでは、発達障害評価には3か月以上かかるべきではないとされている。この評価は発達障害の原因を突き止めるために用いられ、公立病院では専門医や関係専門家のチームが行うことになっている。

 一方、シドニーの裕福な東部地区にあるランドウィックのシドニー小児病院の場合、待ち時間は2か月から10か月程度となっている。

 キャンベルタウン在住、小児科医の登録を持ち、マッカーサー選挙区出身の労働党連邦議会下院議員を務めるマイク・フリーランダー氏は、「これは児童成長期アパルトヘイトだ」として、「ほとんどの人は公平なNDISを期待しているが、現実には豊かな地域の児童が成長期の治療で優遇され、貧しい地域の児童が冷遇され、その違いの影響が生涯残ることになる」と語っている。
■ソース
Children’s access to disability funding depending on where they live dubbed ‘developmental apartheid’

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