「大量感染が起きれば人工呼吸器2000台必要」

豪集中治療協議会がICUの2000床倍増計画

 オーストラリ国内のコロナウイルス感染者が急激に増えている現在、保健当局は病院患者の急増に備えているが、豪NZ集中治療専門家団体が、集中治療室(ICU)需要の急激な増加に備え、現在の人工呼吸器を備えたICU2000床を倍以上の4000床に増やす計画を発表した。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 豪NZ集中治療協議会(ANZICS)は、30人のIC専門家の作業グループが急いで編成したコロナウイルス患者に対する救命救急医療の新ガイドラインをブレンダン・マーフィ連邦主席医務官に提出することになっている。このガイドラインは、急増するコロナウイルス感染症に対する連邦政府の対策計画のガイドとなるもの。

 同協会のアンソニー・ホリー会長は、「この感染症が現実に深刻な状況になるなら、一定期間オーストラリア国内のICUの病床数を倍増することもできる」と語っている。

 この計画は国内各地の病院に合計2000床を超える集中治療床を追加配備するというもので、病院によっては既存の病棟を集中治療室に改造し、肺炎患者の呼吸を助ける人工呼吸器を設置することになる。

 また、豪医師会(AMA)のトニー・バートン会長は、「感染患者が急増した場合、保健当局がこれに対処するためには現在の公立病院の人工呼吸器を備えたICUの病床数が深刻な問題になってくるだろう。全国的な緊急事態になった場合、病院に十分な収容能力がないことになる」と警告している。

 全豪緊急医療学会の元会長、サイモン・ジャドキンズ氏が、「コロナウイルス感染の広がりを抑え、人工呼吸器を必要とするような重症患者の発生を長期にわたって分散させる措置を取らない限り、ICU病床が不足することになり、医師はICUに送る重症患者と送らない重症患者を選別する苦しい決断を迫られることになる」と警告している。

 NSW州保健当局は、22週間のコロナウイルス第一波で150万人が感染した場合のモデル化を用いて推定し、10週間にわたってICU病床収容能力の115%から330%の重症患者が発生するとしている。

 医療装置産業筋は、「人工呼吸器供給チェーンを確保する努力が続けられているが、コロナウイルスのような複雑かつ変動的な状況では人工呼吸器在庫も急激に変動する可能性がある」と語っている。
■ソース
Australia needs 2000 extra ventilators to cope with ‘catastrophic’ outbreak

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