「授業は続けるが生徒は出席しなくていい」

連邦・州のコロナウイルス教育論争決着つかず

 コロナウイルス蔓延が続く間、州の管轄下にある公立学校で授業を開くかどうかをめぐって連邦と州の間で論争が続いており、このままでは保護者が迷うことになるおそれがある。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 4月15日朝、記者会見したスコット・モリソン連邦首相は、各州準州の公立学校に対して、新学期の授業を始めるよう「懇願」した。しかし、首相の発言は州教育相など関係者には「威嚇のこもった命令」と受け取られている。

 モリソン首相の論理は、「休校が続くと、保護者は働きに出るか、それとも仕事を休んで子供の世話をするかの二者択一を迫られる。また、子供の教育における問題もある」ということで、一方、州政府は、保護者に対して、子供を家庭学習させること。そのために遠隔学習プログラムを編成していると主張している。

 15日の記者会見では、「オーストラリアの教育は危ういバランスを保っている」と語っており、家庭学習では、家にコンピュータやインターネットを備えていない家庭もあり、デジタル・デバイスが大きな問題になることを強調している。

 QLD州政府のグレース・グレース教育相は、「家庭学習は1日に2時間から3時間あれば十分」と語っており、父兄はオンラインの授業プログラムがクラッシュしたり、バグだらけという不安を抱えている。

 首相記者会見の後、連邦政府のダン・ティーアン教育相は、「首相のメッセージは教職員に対する挨拶だ。保護者は教職員に感謝すべきだ」と語った。

 これに対して、NSW州教職員組合のアンジェロ・ガブリエラトス議長は、「首相は口出しすべきではない。首相の発言は保護者の不安をかき立てるだけだ。教職員も学校長もずっと一生懸命に一学期の遠隔学習に備えて一生懸命働いてきた。教師も親であり、祖父母だ。このような危機にあって、家族の世話をしなければならない」と語っている。

 さらに、「今後もNSW州首相と協議していく」と、連邦政府を意図的に無視するような発言をしている。

 連邦政府は、国民には「できるだけ自宅から出ないよう」にと指示する一方で、「登校しても安全だ。一人の子供も落ちこぼれてはならない」と繰り返している。

 それに対して、NSW州とVIC州の政府は、「子供を家庭で世話できるならそうしてもらいたい。できない家庭は子供を学校に送ってもいい」としており、医療従事者や警察官など社会的に重要な職業の保護者の子供は学校の授業を受けられるようにしている。

 いくつかの州では、教職員だけでなく、州政府もモリソン連邦政府の方針と対立している。
■ソース
Coronavirus schools debate continues, as Morrison says education ‘hangs in the balance’

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