連邦高裁、ウィットラム罷免「宮廷書簡」開示命令

1975年11月11日政変の経緯解明になるか

 1975年11月11日のゴフ・ウィットラム労働党連邦政権罷免に至る謎を解明する可能性のある、ジョン・カー連邦総督とイギリス宮廷との間に交わされた資料の閲覧を要求して連邦高裁に訴えていた歴史家が勝訴した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 勝訴したのはジェニー・ホッキング氏で、エリザベス女王やその周辺がオーストラリアの民主主義の危機と呼ばれる政変にどのように関わっていたのかが解明される可能性がある。

 この書簡は、「宮廷書簡」と呼ばれており、私的な資料ではなく、公的な性格を帯びている。ホッキング氏は2016年以来、この書簡の閲覧を要求し、最終的に連邦高裁に持ち込むことになった。

 宮廷書簡は複数の書簡や切り抜きが含まれており、ウィットラム内閣罷免に関して女王がどこまで知っていたかを明らかにするものと期待されている。

 しかし、オーストラリア国立公文書保存館は、これらの資料を「私的文書」として閲覧を拒否していた。

 これに対してホッキング教授は、高裁において、連邦総督と君主の間の通信は連邦の所有物であり、私的な文書とはいえないと主張して争った。

 連邦高裁の判事は多数派がホッキング教授の主張を認め、宮廷書簡は連邦の記録文書であると判決を下した。

 ホッキング教授は、「この判決はオーストラリア史にとって素晴らしい判決だ。政府の透明性と説明責任性を明らかにするものであるだけでなく、ウィットラム内閣罷免に至る過程の全容を解明する上で重要な判決になった」と語っている。

 ウィットラム内閣罷免の理由については様々な議論がなされてきたが、オーストラリア憲政史最大の危機とされるこの政変にエリザベス女王がどこまで知っていたかを明らかにする可能性がある。

 ホッキング教授は、「これまで秘密主義と歴史歪曲で曇らされ、不明な部分があまりにも多かった。これですべての謎が国民の前に明らかにされる可能性がある」と語っている。
■ソース
High Court decides ‘Palace letters’ written during the Whitlam dismissal can be accessed by historian Jenny Hocking

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