NSW州中部海岸ウォーターフロント住宅崩壊の危機

住宅開発と海岸浸食で住民と自治体の対立

 NSW州中部海岸、シドニー北方のゴスフォード市から外洋に面した地域、ワンベラル地区でタスマン海の低気圧による波浪で砂浜が消失し、砂浜の後背地に並んでいた高級住宅の庭が崩落し、建物の土台も呑まれ始めている。住民の避難が進められているが、何十年も前から始まっている住民と自治体の間の対立が再燃している。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 現場はオーシャン・ビュー・ドライブと砂浜に挟まれた土地で、セントラル・コースト・カウンシルは、「現在、公共工事技師が損害の評価と防護措置の検討を行っている」と発表している。

 一方、住民のウォレン・ヒューズ氏は、「2016年にカウンシルは防波堤建設を拒否し、NSW州政府のプロジェクト出資の提案を断り、住民個人が自宅の防衛措置を講じることも妨害している。集団訴訟をするつもりだ」と語っている。

 しかし、元カウンシル助役は、「2000年代にカウンシルが護岸工事を提案した時、州政府にも出資を要求したが断られたことで沙汰止みになった。今度のような浸食は予期されたこと」と語っている。

 一方、1978年の浸食で同地区にあった母親の家が海に呑まれた体験を持つギャリー・エッガー氏は、「人は忘れやすいものだ。1978年の浸食の後、砂浜があっという間に回復し、いかにも安全そうに見えた。しかし、大きな嵐が一度来れば終わりだ。正直言って、これはカウンシルの落ち度とは思わない。。あそこに家を建ててはいけないんだ」と語っている。

 1990年代、ゴスフォード・カウンシルは海岸浸食問題で何度も調査を行わせ、報告書を提出させている。2003年にはカウンシルの環境教育保護マネージャのギャリー・チェスナット氏が、「何の手も施さなければオーシャン・ビュー・ドライブと海岸の間の住宅はすべて50年以内に海に消えてしまう」と報告している。2004年に住民と協議したチェスナット氏は二度にわたって同海岸護岸工事の経費を州政府に要求した。チェスナット氏は、「経費をカウンシル、住宅所有者、州政府で分担する考えだったが、州政府が拒否している」と語っている。

 また、その後浸食が進んだ結果、かつての護岸工事は不可能になっている、と語っている。

 カウンシルのリサ・マシューズ市長は、「7月20日にカウンシル臨時会議を招集する」と発表している。
■ソース
‘Those homes should never have been built’: The 40-year saga behind Wamberal beach erosion

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