調査委員会、NSW州保健局の重大な過失指摘

ルビー・プリンセス・コロナウイルス・クラスター事件

 シドニーからニュージーランドを一周して帰国したクルーズ船、ルビー・プリンセスで2700人ほどの船客が検査なしで下船帰宅し、その後、船客多数が発症、少数が死亡した事件を調査していた独立調査委員会は8月14日に報告書を提出、NSW州保健局に重大な、言い訳できない過失があったと指摘している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 しかし、特別調査委員会は、「NSW州保健局はすでに過失があったことを認めており、今後、このようなことがあればしっかりと手続きすると発表している」として、少数の勧告を盛り込むに留まり、ブレット・ウォーカー調査委員長は、「専門機関に対して、『しっかり仕事をしろ』以上にならない勧告をすることは不適切であり、無益なことだ」と述べている。

 ルビー・プリンセスは、3月にシドニーを出港し、ニュージーランドを一周した後、シドニーに帰港した。その間に船内でコロナウイルス感染が疑われる船客も出たが、シドニー帰港時には船客はパスポート検査も感染検査も受けずにそのままシドニー市内に入り、オーストラリア各州や海外数カ国の自宅に飛行機その他で帰宅している。

 その後、数週間の間に国内外で663人が検査でコロナウイルス陽性と判定され、ついに28人が死亡した。その後、メルボルンで海外帰国者のホテル隔離で宿泊客がホテルを抜け出し、ウイルスを広める結果になるまで、オーストラリア国内では最悪のクラスターと呼ばれた。

 勧告案として、「NSW州保健局は、3月10日にコロナウイルスと疑われる症例の定義の変更があったことをクルーズ船側にはっきりと伝えるべきだった。そうすれば、ルビー・プリンセス船内で発症した船客の取り扱いができていたはず。また、保健局は、ウイルス感染が疑われる船客を船室に隔離しておくよう手配すべきだった」と述べている。

 また、NSW州保健局が、同クルーズ船を、何の措置も必要としない「低リスク」に分類していたことも「正当化の余地のない重大な誤り」だったとしている。

 さらに、報告書は、NSW州政府が下船した乗客に宿舎を用意することもしなかったことを追及し、「公衆衛生命令」の条件に従って州政府は、州民以外の船客には適切な宿舎を用意すべきだった、としている。

 また、もっとも重要な勧告案として、「人間のバイオセキュリティ問題で州と連邦の保健省は互いの役割と責任範囲について熟知しておくべきだ」と述べている。
■ソース
Ruby Princess coronavirus inquiry slams ‘inexcusable’ mistakes made by NSW Health

新着記事

新着記事をもっと見る

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る