「重要なチャンスを見過ごし、大事に至った」

高齢者施設感染問題調査委員会が連邦非難

 8月24日の連邦議会初日は出席議員半数で残りの議員はビデオで出席するという形で始まったが、VIC州やNSW州のいくつかの高齢者施設でコロナウイルスが職員と入居者の間で蔓延し、多数の入居者が死亡している問題で保守連合連邦政権と野党労働党が対立しているが、この高齢者施設感染クラスター問題を調査している議会特別調査委員会は、連邦政府が高齢者施設部門に以前から根強く横たわっている問題に取り組むことを怠ってきた、と連邦政府を強く非難した。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 特別調査委員会は最終報告書の前に異例の声明を発表し、高齢者施設の問題を解決するためにはケアの質についてもっと公開報告制度を強化する必要があるという意見を連邦政府が無視ししてきたと述べている。

 連邦政府のリチャード・コルベック高齢者介護担当相は、「高齢者介護施設でコロナウイルスのために何人の入居者と職員が命を落としたのか?」と質問されて35秒間答えられずに沈黙を続けたため、労働党議員からはコルベック大臣罷免を要求する声があがったが、モリソン首相らはコルベック大臣を擁護し、24日になってコルベック大臣が担当問題に対する無知を謝罪する結末になった。

 調査委員会のトニー・パゴネ、リネル・ブリッグズ両コミッショナーは、「海外の優れた高齢者介護制度調査報告書に基づき、バイアスのかかっていない優れた対策を取らなければならない。2020年に今のような高齢者介護制度では許しがたい」と述べている。

 アングリケアがシドニー西部ペンリス市に運営しているニューマーチ・ハウスでクラスターが発生し、職員の87%がウイルス感染で欠勤し、30人近い入居者が死亡している。

 声明は、「連邦政府がそれまでの高齢者施設問題報告書に基づいて対策を取っていれば大勢の入居者やその家族、職員の苦痛は避けられたはずだ」としている。

 調査委員会の調査対象は高齢者施設問題に対する長年の連邦政府の怠慢であり、コロナウイルスそのものは対象としていないが、コロナウイルスのために高齢者施設、在宅介護で高齢者335人が死亡している。

 この声明を取り上げ、連邦議会下院で、アンソニー・アルバネージ労働党党首は、モリソン首相に、「州政府を非難するより連邦政府の責任を認めるべきだ」と問い詰めた。
■ソース
Aged care commissioners rebuke government over missed opportunities

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