第2四半期GDP7%の後退で既に不況下に
2020年第2四半期のオーストラリア経済はGDPで7%後退しており、1991年以来初の、また歴史的にも最悪の大不況に入った。
ABC放送(電子版)が伝えた。
コロナウイルス規制で国民世帯も消費に出かけることが減ったため、貯蓄率は6%から19.6%に跳ね上がっており、一方、世帯平均消費額は12.1%低下している。
9月2日付で発表された豪統計局(ABS)の数字によると、2020年第1四半期もGDPが0.3%後退しており、2四半期連続でGDPがするというのは広く採用されている「不況」の定義に合致している。
1991年、ボブ・ホーク労働党政権時代に採られた経済政策で不況に陥り、ポール・キーティング財相が、「我が国が通過しなければならない不況」と発言した不況があるが、その時でもGDP後退の率は1.3%と0.1%だった。このGDP7%後退という数字は大方のエコノミストの予想を越えており、これまで1974年不況の際には2%の後退があった程度だった。
BISオクスフォード・エコノミクスのセーラ・ハンター氏は、「予想通り、貿易黒字と政府支出増大により、GDPもそれぞれ1%、0.6%拡大している。しかし、7.9%という個人需要崩壊に完全に呑み込まれてしまっている」と語っている。
個人消費でもっとも大きいのは家計支出で12.1%下落していることがあげられるが、この3か月の四半期中に多くのビジネスが営業を停止していたことなどからサービス消費は17.6%にもなっている。宿泊、飲食業界はもっとも大きな打撃を受けた部門で、2020年第2四半期に39%も落ちている。
政府支出は国内経済を不況から脱するために必要だが、経済に占める労働者総所得の比率は61年来の低数字で、賃金総額で記録的な2.5%という低下率になっている。ABSは、「政府のJobKeeper制度がなければもっと大きく下がっていたことだろう」と述べている。
■ソース
Australian recession confirmed as COVID-19 triggers biggest economic plunge on record