アボット将軍、JSF58機追加購入決定

自由党議員「無能な決断」と批判の声

 ジョー・ホッキー連邦財相は、「連邦財政は危機」と言い続けることで、5月予算案時には国民に緊縮財政を受け入れさせようとしてきた。その一方で、4月23日にはアボット政府は120億ドルの予算で次世代ジェット戦闘機の統合攻撃戦闘機(JSF)を58機追加発注したと発表している。

 保守連合は従来から軍事に親近感を持っているというのが定説だが、医療、福祉、教育など国民生活に関わる分野で厳しく切り詰めを迫っている政府が次世代戦闘機に巨額の投資をすることには、関係業界は、「国内に先端技術を確保する」と歓迎しているが、今後、批判が噴き出てくることは予想に難くない。

 23日当日、デニス・ジェンセン自由党議員が、「誰も注文中止を言い出す勇気もなく、要求基準に照らして全面的な能力分析を要求することさえしていない」と厳しく批判している。ジェンセン博士は国防省アナリストを務めた経験があり、開発途中で様々な問題が現れ、完成と納入が延び延びになった上に価格もそれにつれて膨れあがってきたJSFを追加注文することが信じられない様子。

 23日、アボット首相は、「我が国の航空戦闘能力の背骨として第5世代のステルス戦闘機を追加注文する」と発表しており、すでに支払い済みの2機、注文済みの12機にさらに追加注文で豪空軍はJSF3編隊を備え、地域で最強の空軍力を持つことになる。

 ジェンセン博士は、JSF購入はジョン・ハワード政権期に決定され、労働党政権に受け継がれ、ジェンセン議員の属するアボット保守連合政権で完成した与野党賛成の大ドジという他ない。アメリカのテスト報告をいくつか読めば、JSFには深刻な問題があることが分かる。ペンタゴンのJSF担当者、クリス・ボグダン空将自身が、「JSFはまだ信頼性が足りず、メンテナンスに手がかかりすぎる。その上、部品がぽろぽろと落ちてくる始末だ」と認めるありさま。

 ジェンセン博士は、「いったんこのような決定を下してしまうと、王様は裸だと言うのにははるかに勇気がいり、誰もが王様を新しい衣装を身につけている振りをするようになるものだ。そもそも、JSFが豪空軍の購入目的基準を満たしているかどうかを確認しなければならないのにそれさえやっていない。最近の党議員会議でもJSF購入に対して警告したのに、デビッド・ジョンストン国防相さえ何の発言もできない状態だ。ジョンストン大臣だけが悪いのではない。ロッキード・マーチン社の売り込みを見抜けるほどの技術知識を持った国防相がいなかったことも問題だ。国防省官僚も商品に厳しい消費者ではなく、JSFのセールスマンになりきってしまっている」と厳しく批判している。

 野党労働党もビル・ショーテン党首がJSF購入を支持しているが、WA州選出のスー・ラインズ上院議員は、「戦闘機に120億ドル、金持ちには有給産児休暇、福祉は切り捨て、診察料患者負担化。恥ずかしい限り」とツイートし、アダム・バント緑の党下院議員も「トニー・アボットはできの悪い戦闘機よりも年金を重視すべき」と語っている。(NP)

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