「直接行動気候変動対策法案」通過

パーマー統一党が最終的に支持決定

 保守連合政権が打ち出していた「直接行動気候変動対策」は科学者もエコノミストもその効果に対して否定的な見通しを立てていた。労働党の炭素排出権取引制度や炭素価格付け制度はヨーロッパを中心として世界的にも採用する国があり、将来的には主流となる制度と見なされている。その主旨は発電所を含めた炭素排出企業に排出量に応じた価格を課するというもので、企業はそのコストを引き下げようと考えるため、排出量を引き下げるインセンティブが生まれる。直接行動制度は炭素排出企業が「排出量削減」技術開発を申請すれば助成金がもらえるというもので、もらうためのインセンティブは働くが、直接行動政策予算が尽きればインセンティブも消え去る。また、技術開発が失敗しても企業はもらい得のままになる。

 保守連合のグレッグ・ハント環境相とクライブ・パーマー議員の間で交渉が続けられていたが10月31日夜半を過ぎてようやく決着した。法案には交渉の間にいくつも書き直しがあり、下院に回されることになるが、保守連合議員が過半数を占めており、法案の成立は間違いない。

 緑の党のクリスティン・ミルン党首は、「パーマー氏が掲げていた排出権取引制度は結局目くらましだった。公害企業は両手を出して税金から資金を受け取り、もともとしなければならなかったことのために使うと称することになるだろう」と語っている。また、ニック・ゼノフォン無所属上院議員は、「大手企業の炭素排出増加が続いた場合には罰金を払わせるというセーフガードを取り付けた」として、法案支持を決めた。

 また、労働党政権が設立したクリーン・エナジー金融公庫と豪再生可能エネルギー局を保守連合政権が解体するとしていたが、パーマー統一党はこれに反対していた。しかし、政権が、「これらの機関を廃止する法案を今年中には上程しない」と約束することで統一党との決着はついた。しかし、マシアス・コーマン予算相は、「保守連合はどちらも廃止する」と明言している。また、気候変動局についても、グレッグ・ハント環境相が、PUPとの協定の後で、「同局を残すのはあくまでも法案を通すためにPUPの支持を取り付ける便法。同局がどんな結論を出しても保守連合政府の政策は変わらないし、排出権取引制度もありえない」と広言しており、早くもPUPを「鉱山富豪パーマー氏の利益を代表するだけ」とか、「大言壮語するが結局保守連合の手先」との批判が出ている。(NP)

http://www.smh.com.au/federal-politics/political-news/direct-action-climate-plan-passes-the-senate-with-help-from-palmer-united-party-20141031-3j9bq.html

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