連邦保守連合内権力争い大詰めに

前労働党政権と同じコースをたどる

 2013年、当時連邦野党だった保守連合のトニー・アボット・リーダーは、ジュリア・ギラード氏とケビン・ラッド氏を中心とする首相の座を争う内紛を評して、「無能で混乱した現政府の状況は日増しに悪化していくばかりだ」と語った。皮肉なことに当時の労働党政権とほとんど同様の状況がアボット首相の率いる保守連合で再現されている。しかも、保守連合議員や国民は「アボット首相が原因」と指摘している。

 いくつかのメディアの報道によると、オーストラリア・デーにアボット首相が閣僚にも諮らず、エリザベス女王の夫君フィリップ王配にナイトの称号を授けると発表したことで与党内から不満の声が一気に噴き出し、メディアもこれを大々的に報道していた。アボット支持閣僚らは、「メディアが大げさに騒いでいるだけ」と内紛否定にやっきになっていたが、与党議員のアボット批判はおさまらず、アーサー・シノディノス議員のように、「アボット支持は無条件ではない」などとの発言が続いている。

 2月6日にはWA州選出のルーク・シンプキンズ、ドン・ランドル両議員が保守連合リーダーを党議員会議にかけることを動議しており、2月10日の会議で決せられることになった。アボット首相の周辺閣僚はいずれも「首相への忠誠」を誓っているが、政治家の誓いはあてにならないというのが相場。2月7日には、アボット首相が、「私は同僚議員達をよく知っている。信頼している。自信がある」と繰り返していることが報道された。また、ジュリー・ビショップ外相らと訪問したタウンズビルでの記者会見で、「我が国は安定した国、安定した政府だ。このような混乱はラッド・ギラード労働党政権時代に起きたが、我が国の政府がゲーム・オブ・スローンズのような状態になることを望む者はいないだろう」と語った。また、10日にはアボット首相の後継者になる可能性が言われているビショップ外相は再度「首相を支持している。10日のリーダー選びには反対だ」と語っている。

 10日の決議が秘密投票になるか挙手または発声による投票かが決まっていないが、秘密投票であれば誰がアボット首相に対して「謀反」したか分からないため、各議員の本心が現れる可能性があり、アボット首相にとってはより危険になりえる。これについても首相は秘密投票で決せられるだろうと予想している。

 2009年12月、アボット氏は「気候変動」懐疑論を掲げて保守連合内右派議員の支持を得、それまでのリーダーで労働党の排出権取引制度を支持するマルコム・タンブル氏を1票差で追い落とした。それ以降、気候変動対策を縮小することが保守連合の持論になった。

 ABC放送が報道した世論調査によると、今選挙が行われると仮定して、アボット保守連合はビル・ショーテン労働党に敗れるが、保守連合リーダーがタンブル氏またはビショップ氏であれば労働党に勝つチャンスがある。
■ソース
Prime Minister Tony Abbott expects Liberal Party leadership spill motion to fail, anticipates secret ballot

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