人権委員に他の公職斡旋ほのめかす

法務事務次官が委員辞職と交換に

 2月、ジョージ・ブランディス連邦法務長官が、オーストラリア領内領外の「難民収容所」に拘禁されている児童の人権問題を調査していた人権擁護委員会(HRC)会長のジリアン・トリッグズ教授に、「人権委員を辞職すれば他の公職を提供する」主旨の話を持ちかけていたことが暴露されていたが、2月24日には連邦議会上院予算委員会でブランディス法務長官、トリッグズ教授、クリス・モライティス法務省事務次官が証人として出席、証言が食い違っていたが、野党労働党は連邦警察(AFP)に一件の捜査を求めた。

 2月24日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 直接トリッグズ委員に話をしたのはブランディス長官の次官とされているが、労働党のマーク・ドレイファス影の法務長官がAFP長官に宛てて信書をしたため、「アボット政府の政治的ダメージを逃れるため、独立法定機関の公職にある者のリーダーシップを損なうことを目的として、代償で辞職を誘導しようとしたブランディス長官の行為は腐敗と不法行為の疑いがある。直ちに捜査を開始し、訴追を検討するよう」求めている。

 トニー・アボット首相は、トリッグズ人権委員が政府に批判的な報告書「The Forgotten Children: National Inquiry into Children in Immigration Detention」を提出すると直ちに「報告書は偏向した政治的でっち上げ」と批判した。しかし、24日の予算委員会でトリッグズ教授が、「モラティアス氏は直接はっきりとは言わなかったが、言いたいことはあきらかだった」と語り、アボット首相の発言に対しては、「40年間の弁護士生活で私が職業的公正さに欠けると言われたことは一度もなかった。調査でも公正に努めた。首相発言はショックだった」と証言している。一方、ブランディス長官とアボット首相は、「トリッグズ委員に対する信頼を持てない」と発言しており、アボット首相は連邦下院で、ビル・ショーテン労働党党首に、「ブランディス長官の部下がトリッグズ委員に対して人権委員辞職の代償として他の公職提供を持ちかけたことを知っているか?」と質問され、「知らなかった」と答えている。

 トリッグズ教授は1967年にメルボルン大学で法学士、1982年にPhDを取得しており、オーストラリア、アメリカ、イギリスで法律関係の公職を歴任しており、2007年にはシドニー大学法学部長に就任、2012年に退職し、人権擁護委員会委員任命を受けている。2014年2月に入国管理収容所内の児童拘禁に関する全国調査委員会を発足させた。
■ソース
Gillian Triggs: Opposition calls on AFP to investigate allegations George Brandis offered Human Rights Commission president ‘inducement to resign’

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