アボット政権、難民希望者送還実行

イランに続いてベトナムについても暴露

 ジュリー・ビショップ外相がテヘランを訪れ、難民認定申請ではねられたイラン人移民を引き取るようイラン政府に求めていることが報道されているが、オーストラリア海軍艦船がベトナム人難民認定希望者をベトナムに送還していたことが明らかになり、ベトナム系オーストラリア人団体や人権団体がトニー・アボット保守連合政権を非難している。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 報道では、HMASチュールズが難民船の豪領海入りを防ぐために1週間にわたり航海した後、4月17日にベトナム領海に入ったとされている。国防軍筋もフェアファクス・メディアに対して、同艦がホー・チ・ミン市の南ブン・タウ港に近づいていることを明らかにした。

 同艦は、4月初めに関税局と海軍が大陸北の領海で拿捕した船に乗っていた難民希望者を乗せ、17日または18日にベトナム当局に引き渡したと推定される。人権法センターのダニエル・ウェブ氏は、「迫害が起きることが明らかに国に難民希望者を返すべきではない」と語っている。

 ピーター・ダットン移民相は、「作戦上の情報は明らかにできない」と発表しているが、人権団体は、「保守連合は事実を国民の眼から隠している」と批判しており、ウェブ氏は、「政府がその行動を人道的で正当で合法的と考えているのならそれほどまでに行為を国民に隠すことはないだろう」と語っている。

 また、難民移民法律センターのデビッド・マン理事長は、「明らかに政府は難民希望者を何の正当な手続きも経ずに送還している。政府の行為は人権侵害であるばかりでなく、生命を危険に陥れる行為だ。オーストラリア国民も国際社会もオーストラリア政府が何をしているのかを知る権利がある」と批判している。さらに、1975年のサイゴン陥落以来、ベトナムから逃れてきた人も大勢いる国内のベトナム系市民も、難民希望者が難民認定審査を経ずにオーストラリア政府がベトナム政府に引き渡したことに対して恐ろしい行為と批判しており、ベトナム系市民協会NSW州支部のタン・ハ会長は、「政府は難民希望者を地獄に投げ込んでいる。送還された人々は当初は何の処置も受けないだろうがそのうちにベトナム共産党党員が監視するようになり、嫌がらせを受け、最後は投獄される可能性がある。ベトナムでは人権活動家、民主活動家、キリスト教徒、仏教徒、芸術家、歌手らが嫌がらせを受け、中には逮捕されたり、家族が嫌がらせを受けたりしている者もいる。投獄された者の中には二度と消息を聞かない者もいる。

 国際的な人権団体の「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、「ベトナム国内では2013年に人権問題が急激に悪化している。政府批判者の迫害や逮捕、長期投獄が続いている」と述べている。

 軍艦チュールズの1日の活動コストは201,621ドルにのぼり、難民希望者本国送還のベトナムまでの往復の航海は140万ドルにのぼる。
■ソース
Abbott government under fire for secret bid to hand back asylum seekers to Vietnam

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