マッケンジー議員、大臣職と国民党副党首を辞任

スポーツ振興プログラムで申告義務違反判断

 2019年前半のスポーツ振興プログラムの助成金をめぐる大臣の不正スキャンダルを調べていたフィル・ギチェンス首相内閣府事務次官の報告書は当時スポーツ大臣現農相のブリジット・マッケンジー国民党副党首に申告義務違反があったとしている。

 これを受けてマッケンジー議員は農相と国民党副党首の席を辞した。

 2月2日付ABC放送ニュース(電子版)が伝えている。

 首相内閣府のフィル・ギチェンス事務次官は、「マッケンジー大臣は、自分の管掌する機関から$36,000の助成金交付を受けた射撃クラブのメンバーでありながら、これを届け出ることを怠った」として、大臣の行動基準に違反したとする報告書をモリソン首相に提出した。

 先に、政府財政の監査を行った会計検査院長は、スポーツ助成金交付団体の選定をめぐって、「助成金の配分が与党保守連合選出選挙区のスポーツ団体に異常に偏っている」として、公金を使って利益誘導を図った形跡を指摘していた。

 スコット・モリソン以下与党閣僚はマッケンジー議員に不正行為はなかったと主張し、弁護していたが、野党労働党や緑の党、さらにはポーリン・ハンソン議員までがマッケンジー議員を追及する声を挙げていた。また、ABC放送は、「接戦選挙区や議席獲得目標区を色分けしたリストが存在する。また、団体からの助成金申請資料を審査し、交付団体を決める独立機関スポーツ・オーストラリア(SA)がマッケンジー大臣に提出したリストを大臣が無視して自分で新たに交付団体を決めるなどしており、SAが、『大臣の行為はSAの選定過程の独立性を損ねる』と警告していたことも明らかにしている。

 マッケンジー議員追及がおさまらないことから、スコット・モリソン連邦首相は、首相内閣府に命じて再調査することを命じていた。

 2月2日の報告書では、大臣がSAの推薦を無視し、選挙がらみで保守連合に有利になるように利益誘導にあたる交付団体決定を行ったという疑惑には触れておらず、報告書を発表したモリソン首相は、「交付団体決定に違法性はなかった」としている。

 シドニー大学の憲法学者、アン・トゥオミー教授は、「マッケンジー大臣にはSAの決定を覆す権限はなく、その行為は違法」としており、会計検査院長の判断を支持しているが、ギチェンス事務次官の報告書は会計検査院長の報告書内容には触れず、大臣の申告義務違反だけに絞り、大臣の辞任で幕引きしようとしていると野党からの追及があることは必至。
■ソース
Bridget McKenzie quits frontbench over report she breached ministerial standards

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