Yamaha Music Australia Pty. Ltd. ヤマハ・ミュージック・オーストラリア

企業研究
ピアノ・レッスンに最適な高品位電子ピアノ「クラビノーバ」

Yamaha Music Australia Pty. Ltd.
ヤマハ・ミュージック・オーストラリア
音・音楽を通した感動創出企業

 ヤマハ株式会社は、楽器の製造・販売を主事業に、半導体、スポーツ用品、自動車部品などさまざまな分野で事業展開する日本を代表するグローバル・メーカーだ。オートバイ、モーターボート、スノーモービルなどのモーター関連事業で知られるヤマハ発動機株式会社は兄弟企業。ここオーストラリアで楽器、音響機器、オーディオ機器の販売と音楽教室事業を展開する豪州法人ヤマハ・ミュージック・オーストラリア社(本社=メルボルン)の若松宏行社長に、同社の経営戦略について話を伺った。


音楽事業を核に事業を多角化させる総合メーカー
 1887年に創業者である山葉寅楠氏が、学校教育用に国産第1号となるオルガンを製作したことに端を発するヤマハは、ピアノ製造をはじめとする創業以来120年続く楽器事業が日本国内でトップ・シェアを誇る。その品質は海外でも高い評価を得ており、現在では、子どもが学校で吹くリコーダーからピアニストがステージで弾くグランド・ピアノまで、そして、オーケストラで演奏される手作りのトランペットからコンサート・ホールや録音スタジオで使用されるデジタル・ミキサーまで、幅広い楽器・音楽機材分野をカバーしている。
 また、電子音楽機器の開発から得た技術力を生かし、半導体などの電子部品、ルーターなどのネットワーク機器、オーディオ機器の製造も行う同社は、ピアノの木工加工・塗装などのノウハウを生かした高級システム・キッチンなどの住宅機器製造を行うリビング事業、高級車用の木工パネル製造をはじめとした自動車部品事業、音楽教室やレコード会社などの音楽関連事業、楽曲配信事業など、楽器製造から派生したさまざまな事業を展開している。

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ヤマハのピュア・オーディオ・スピーカー・システム「Soavo(ソアヴォ)」シリーズ

豪州では音楽事業を展開し20余年
 同社がグループ全体で掲げる企業理念の冒頭に明文化されているのが、“『感動をともに創る』:音・音楽を原点に培った技術と感性で新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創り続ける”という企業目的だ。「この企業目的を各々の市場で具現化していくことがわれわれの仕事」とは若松氏。
 豪州市場とニュージーランド市場を統括するその豪州法人は、楽器・音響機器・オーディオ機器の販売事業および音楽教室事業を当地で展開。また、そのマーケティング活動の過程で、アーティストや、学校/録音スタジオ/放送局/コンサート・ホールといった場面での音楽作りに、さまざまな形で貢献している。
 さらに、音楽を聴くためのオーディオ機器(ホーム・エンターテイメント)も同社にとって重要なビジネス・ユニットであり、特に豪州市場での業績は順調に推移している。
「豪州では『Rose Music』という英国系代理店が早い段階から市場を開拓していたが、1986年にここを引き継いでヤマハの現地法人を設立した。今でいう友好的テイク・オーバーで、メルボルンにオフィスを構えたのもそのため。以来20余年、ヤマハ・ブランドもしっかり浸透してくれている」。
 同社は2007年度、底堅い豪州経済に後押しされながら、100ミリオン・ドル規模の売上に成長。若松氏は同社の現状を「ワンランク上を目指して新たなフェーズに入っていくところ」と説明する。

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世界各地で展開する音楽教室

音楽教育通し音楽に触れる楽しみ伝える
 同社が前述の通り全方位的に展開する楽器事業だが、豪州のファミリー・ユース市場では特にデジタル・ピアノが堅調。また、デジタル・ミキサーは業界のデファクト・スタンダードとなっている。「そのほか最近の傾向として、ベビーブーマー世代の電子ドラムの購入が目立つ」と若松氏。これは若いころにドラムをやってみたかったけれど、お金も練習場所もなかった人が多いためと言う。現在の電子ドラムは、音質も打感も極めて忠実に生ドラムを再現しており、ヘッドホンで練習できるので場所や時間を選ばないのが特徴。「プロ・アマを問わず、こうしてできるだけ多くの人に“音楽の楽しさ”“演奏の喜び”を味わってもらえるのは楽器メーカー冥利に尽きる」と喜ぶ。
 また、同社は全豪20会場でヤマハ音楽教室を展開し、音楽教育にも力を入れており、「楽器を演奏する楽しさをきちっと伝えたいという思いが背景にある」と言う。
 ヤマハは日本で音楽教室運営に約50年の歴史があり、特に子どもの音楽教育には確立されたノウハウを持つ。一方、豪州も含めた欧米社会は、それこそバッハ、ヘンデルの時代から続く音楽レッスンの歴史がある。そのため、「日本やアジア諸国と必ずしも同じ展開ではなく、その国が経てきた音楽的歴史・背景を尊重する必要がある」。若松氏は、子どもの音楽教室を核に量よりも質を重視した運営を行い、将来もし、前述のベビーブーマー世代がドラムやギターを会社帰りに習ってみたいというような需要があれば、前向きに検討していくつもりだと言う。
音と音楽のトータル・ソリューションを提案
 若松氏は同社にとって豪州市場の特徴を文化的側面から見ることが重要と分析。「豪州は地理的にはアジア太平洋に位置付けられるが、文化的な潮流はやはり欧米。つまり商品開発やマーケティング戦略は、むしろ欧米を注視しておく必要がある。特にオーディオ機器については豪州は当社において世界の中でも屈指の売込み率を誇る大国。グローバルな視野を持ちながらの販売戦略が必須」と語る。
 また、基本的には欧米型成熟市場と見る豪州だが、注意深く見ると資源ブームが牽引する好景気を背景に活発な分野があると指摘。「例えば、楽器では高額なグランド・ピアノ市場が伸び、オーディオ機器ではホーム・シアターの需要が旺盛という特徴がある」。若松氏はこの特徴を踏まえ、「音を奏でるための楽器」と「音を聞くためのオーディオ機器」、つまり音の入口と出口のマーケティングを通して、音・音楽に関するトータル・ソリューションをオーストラリアの人々のライフスタイルに訴求していきたいと言う。
「そのためには我々自身が市場を育て、事業を創造し、成長を実現するという明確な意識を持つ必要がある。私が当地に赴任してから社内で掲げている旗印は、『Seek Wider, Drill Deeper』。鉱物資源の発掘に例え、事業機会を広く求め、潜在需要を深く掘るという意味で、現地社員と一丸となってクリエイティブなマーケティングを目指していきたい」。
 音と音楽の世界で新たな感動と豊かな文化を豪州の人々とともに創り続けてきた同社は、今後もその企業理念のさらなる具現化を図っていく。
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若松宏行社長
1978年、早稲田大学政治経済学部卒。学生時代はギター・サークルのキャプテンとして活躍。同年、ヤマハ株式会社入社。本社マーケティング部門と企画部門を経て、カナダとイギリスに駐在。2007年10月より現職。「赴任した3カ国はすべて、偶然にも英連邦国。私はヤマハ本社と英国女王の両方に仕えていることになります(冗談)」

<若松宏行社長に聞く10の質問>
①座右の銘:変えられるものを変える勇気、変えられないものを受け入れる寛容、その両者を見分ける英知
②今読んでいる本:「企業価値評価」伊藤邦雄・著
③オーストラリアの好きなところ:フレンドリーなところ、大らかなところ。「些細なことですが、人混みで肩がぶつかった時に若い人たちが『Sorry』と言います。英国のロンドンの地下鉄なんかでもそう。これは我々も見習うべき。例えば今、東京駅で肩がぶつかった時に『すみません』という日本人は、滅多にいないと思う。最近の日本の物騒な世相と全く無関係ではないように感じます」。
④外から見た日本の印象:本来的に情緒豊かできめ細やかな素晴らしい国、矜持と余裕を取り戻してほしい
⑤好きな音楽:いい音楽なら何でも。CDのコレクションの多さでいえば、ジャズとクラシック。
⑥尊敬する人:吉村先生(高校時代の英語教師、我々ワルガキにとっても授業にロマンがあった)
⑦有名人3人を夕食に招待するなら:五木寛之(作家)、松任谷由美(歌手)、長澤まさみ(女優)
⑧趣味:昔はギター、今はゴルフ。あとは、読書、旅行、美術館巡り、映画鑑賞。
⑨将来の夢:たくさんありすぎて1つだけ選ぶのは難しい。「以前、“世界の50カ国を見てみたい”というのが1つの夢でした。気が付いてみたら47カ国までこぎつけました。あとひと息です。こういう形で焦らず、1つ1つ夢を実現していきたいですね」
⑩カラオケの十八番:「う〜ん、南佳孝の“スローなブギにしてくれ”ということでお願いします」

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