シャープ 「オンリー・ワン」の開発哲学編 第1回

ニッポンの競創力

飽くなき努力と探求心で優れた製品・サービスを創出する日本企業をクローズアップ
シャープ
「オンリー・ワン」の開発哲学編 第1回
「過熱水蒸気」で自在に調理する
独創のスーパースチーム・オーブン

ニッポンの競創力
スタイリッシュなデザインがオーストラリアのキッチンに似合う「SuperSteam Oven」

 日本国内首位の液晶テレビ「アクオス」や携帯電話でお馴染みのシャープ(本社大阪市=片山幹雄・代表取締役社長)。日本が誇るエレクトロニクス産業の一角を占める大手メーカーですが、古くはシャープ・ペンシルに始まり、ラジオ、テレビ、電卓など、他社に先駆ける独創的な商品力が最大の強みとなっています。連載第1回目の今回は、創業以来100年近くに渡って継承されてきた「オンリー・ワン」の開発哲学にスポットを当てながら、最大300℃以上の「過熱水蒸気」で食材を美味しく、ヘルシーに調理するスーパースチーム・オーブン(日本名ヘルシオ)の魅力に迫ります。
創業者は希代の発明家
 シャープ創業者の故・早川徳次氏が、東京の下町・本所の小さな民家で、金属加工業者として開業したのは今から98年前の1912年。穴がなくても長さを自由に調節できる洋服用のベルト「徳尾錠」を考案して特許を取得し、若干19歳で独立を果たしたのでした。
 翌年には当時としては画期的だった「水道自在器」(蛇口の器具)を手掛け、第2号の特許を取得。1915年には、現在では誰もが使っているシャープ・ペンシルを考案します。世界に先駆けて金属製の芯の繰り出し装置を発明し、「早川式繰出鉛筆」として特許を申請して発売したのです。さらに改良を重ねて「シャープ・ペンシル」となり、輸出先の欧米で先に人気が出て、事業躍進の原動力となりました。その名の通り、現在の社名の由来となっています。

ニッポンの競創力
まねされる商品を作れ!
「私は会社の研究部あたりには『他社がまねするような商品をつくれ』と言うのである。他がまねてくれる商品は需要家が望む良い商品、つまり売れる商品なのである。だから、いつも他がまねてくれるような商品を出すよう心がけていれば、企業は安定して成長していく。まねが競争を生み、技術を上げ、社会の発展に なっていく」(シャープ社史より)――。早川氏は後にこう述べています。
 発明家として稀に見る才能を発揮した早川氏のDNAは、創業以来1世紀近く経た今も脈々と継承され、シャープにとってますます強みとなっています。機械的な性能が優劣を左右したアナログ時代と異なり、極論を言えば、コモディティー化したデジタル家電は部品さえ集めれば世界のどこでも同じようなものを組み立てることができる現代では、他社にない独創的な発想や企画力、開発力が勝負の決め手となるからです。
 例えば、シャープが他社に先駆けて量産に成功した太陽電池や、除菌イオン技術を使った空気清浄器などは、そうしたオンリー・ワン哲学の賜物であるとともに、環境・健康分野へ注力するシャープ新時代の旗印「エコ・ポジティブ・カンパニー」の原動力ともなっています。
 また、世界初の電卓で長年培った液晶技術は、主力商品である液晶テレビ「アクオス」の大ヒットにつながりました。さらに今年、カラー・テレビの発明以来50年間ずっと3原色だった色彩表現を4原色に増やした画期的な技術「クワトロン」をアクオスに搭載、オーストラリア市場にも9月に投入する予定です。

シャープ・オーストラリアの内山雅司社長
シャープ・オーストラリアの内山雅司社長

減油・減塩のヘルシーな新調理器
 今回紹介する「スーパースチーム・オーブン(日本名ヘルシオ)」もまた、創業以来のDNAが生み出した、シャープらしいヒット商品と言えるでしょう。
 開発がスタートしたのは約10年前にさかのぼります。シャープが日本で初めて商品化し、世界でも高いシェアを誇ってきた電子レンジですが、近年は低価格化が進んで収益性が低下するとともに、商品として成熟化が進み差別化が難しくなっていました。そこで、「電磁波を出さない電子レンジを作れないか」と、新しいタイプの家庭用調理器の開発に着手したのです。
 開発チームが注目したのが、高温の水蒸気を食品に噴射する業務用の加熱方式でした。これは当時、既に一部の食品加工工場で採用されていたもので、高温の水蒸気を食品に吹き付けると、中身はふっくらして表面はカリっと焼き上がるというものでした。
 また、肉や魚、野菜が理想的な状態で美味しく焼き上がるだけではなく、食材に300℃以上の過熱水蒸気を吹き付けることによって、脂肪分や塩分が水分とともに流れ落ち、酸化に弱いビタミンCなどの栄養素の残存度が通常のオーブン調理と比較して高いなど健康効果も高いことも確かめられました。
 小型の家庭用調理器として商品化するには数々の技術的な難関がありましたが、試行錯誤の末、2004年に日本で発売。平均的な電子レンジの約5倍の高価格にもかかわらず売れ行きは好調です。健康と美味しさを兼ね備えた新調理器という、従来なかった新たな市場を切り開き、液晶テレビや太陽電池パネルと並ぶ同社の看板商品として存在感を増しています。
 
食材の宝庫、豪州で大活躍 
 家庭の食卓に電子レンジの登場以来の革命をもたらしたヘルシオですが、私たちがオーストラリアで購入できるようになったのはつい最近のこと。在豪現地法人のシャープ・オーストラリアは満を持して昨年9月、「スーパースチーム・オーブン」の商品名で販売を開始しています。
 そこで、本紙取材班はシドニー西郊にあるシャープ・オーストラリアの本社を訪問、内山雅司社長に話を聞きました。「オーストラリアでも食の健康に対する意識は高まっており、それに貢献できる技術と商品を提供したいと考え、昨年、市場に投入しました」と内山社長。現地の消費者はまだ電子レンジのイメージを根強く持っているため、1,500ドル前後の実勢価格は値ごろ感がないようですが、3,000ドル以上の価格帯も多いオーブンと比較するとむしろ安いと言えます。
「この国ではまだまだこれからの商品ですが、できるだけ多くの人に美味しさを体感してもらう場を作っていきたいと思います」と話す内山社長。それではと取材班も実際の調理を体験してきました。過熱水蒸気による「水で焼く」スチームオーブンに加えて、通常のスチーム、オーブン、電子レンジまで1台4役をこなせる次世代調理器の実力は?
 まずは鶏肉にから揚げ粉をまぶして「鶏のから揚げ」に挑戦です。正直、油を使わないで「揚げる」なんて「真っ黒に焦げてしまうのでは」と疑ってしまいましたが、簡単な操作でプログラムして待つこと20分強。鶏肉自体のの脂肪分だけでカリっと揚がり、余分な油は網の下に流れ落ちていて表面はパリパリ。それでいて、噛みしめると衣の中に閉じ込められた鶏の旨みがじゅわ~っと口の中に広がり、至福のひと時。これはビールが進みそうです。
 次は、朝食の定番セット・メニュー。目玉焼きとトマト、ベーコン、トーストをトレイに並べ、15分足らずで一発調理します。「通常なら全く調理法の異なる4つの食材を全部一気に入れても大丈夫 ?」と思いましたが、卵は半熟、ベーコンは油と塩分がほどよく落ちていい感じ。トーストとトマトも申し分ない火加減で、まるでプロの料理人が作るホテルの朝食といった完成度でした。これなら、時間のない朝もしっかりと食事できます。美味しさやヘルシーさだけではなく、時間と手間が省けるのも大きな魅力なのです。
 今回は試していませんが、中でも真価を発揮しそうなのが魚料理です。「日本人の食生活はやはり魚が基本。とりわけこの商品で焼いた魚の美味しさは格別です」と内山社長は強調していました。
 旨みと栄養分を逃がさず、油分と塩分だけ落として調理できるスーパースチーム・オーブン。キッチンに1台あれば、魚介類をはじめオーストラリアの良質な食材に恵まれた私たちにとって、強い味方になりそうです。


日本の「ヘルシオ」レシピをネットで調べてみよう!
 スーパースチーム・オーブンの使い方には、便利な「自動設定」のほかに、レシピに合わせて細かく操作できる「マニュアル設定」の2通りがあります。こちらで販売されている製品の「自動設定」は、オーストラリア人向けの家庭料理がプログラムされていますが、マニュアル操作を使いこなせば本格的な日本料理も簡単に調理することができます。購入したらすぐに、さまざまな日本料理のレシピと設定方法を満載した日本の「ヘルシオ」の専用サイト(下記)にアクセスしてみましょう。また、ヘルシオ専用レシピを掲載している一般の料理サイトや個人のブログもありますので、ヤフーやグーグルからキーワード
「ヘルシオ レシピ」で検索してみては。  
Web: www.cook-healsio.jp

ガーリックとローズマリーのローストチキン
ガーリックとローズマリーのローストチキン
さばの黒酢照り焼き
さばの黒酢照り焼き
トースト&ベーコン巻き&目玉焼き
トースト&ベーコン巻き&目玉焼き

新着記事

新着記事をもっと見る

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る