第48回 選挙の後に思うこと

JFPピースフル通信

 

オーストラリア国内の平和への動き、
メンバーの平和への思いをお伝えするコラム
 

第48回 選挙の後に思うこと 
中瀬泉(JfPメンバー)

 

昨年末に衆議院選挙が行われ、自民党が過半数を大幅に上回る294議席を獲得したことは皆さんもご存知の通りだと思います。

東日本大震災とそれに続く原発事故の後、初めての国政選挙だったにもかかわらず、投票率は59.32%と戦後最低を記録したとのことです。多くの日本人は、この投票率の低さをどのように受け止めているのでしょうか。

京都大学原子炉実験所で、原子力の研究に携わりながらも40年近く原子力発電に反対してこられた小出裕章先生が、選挙後テレビ出演をされた時にこんなことを言っておられます。

「今回の選挙に、私が何がしかの期待をしなかったのかと問われれば、確かにしました。しかし、結果を見れば、ああやはりこうだったんだということで、不思議ではありません。

1人ひとりの国民の方から言えば、とにかく自分の生活をどうするのか、目先の経済をどうするのかということが一番の関心事になってしまっていて、原子力というものをこれからどうするかを考えるなら、かなり長いスパンで考えないといけない。

目先にちょっと電気代が安いとか、そんなこととはぜんぜん違うことなのですが、そういうことまで多くの国民が気が付かないまま、自分のごくごく身近なことしか興味がわかないということに問題があるのだと思います」

私はこの言葉に深くうなずくとともに、感じることがあります。この事故の状況を正しく認識し、受け入れる強さを持つ日本人はとても少ないのではないか、この問題を真正面から見つめたら、日々の生活を営む気力すら失われてしまいそうで、目を向けたくない人はとても多いのではないか、と。私自身、これだけ原発のニュースをしっかり追っていても、まだどこか事実を受け入れ切れない気持ちが残っています。日本に住んでいる方々にとっては、なおさらでしょう。

また、日本には日々の生活に忙しい人がとても多いです。先日見た情報隠蔽についてのテレビ番組で、情報の学び方が紹介される中、「日々やることがたくさんある中で、とてもそんなにはチェックしていられない」という意見に対し、「そう感じることこそがまさに相手の手のうち。少しずつやっていくうちに慣れてきて、自分自身で気付くようになっていく」という言葉がありました。どんなことでもやっていくうちに上達することには何ら変わりがないのだ、と改めて感じました。

「知る」ことは辛いことでもありますが、現実を受け止め、1人ひとりが日々の生活の中で少しの時間でもいいから自分にできることを考え、行動する。まずはそれしかないのではないでしょうか。


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Japanese for Peaceプロフィル
2005年3月に設立した日本人を中心とする平和活動グループ。毎年8月に広島・長崎平和コンサートを開催。そのほか多数のイベントを企画すると同時に、地元のグループや活動家、他民族のグループとも交流を持ち、平和活動のネットワークを広げている。
Web: www.jfp.org.au
Email: info@jfp.org.au

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