顔の見えない世界

ロイヤー加納の住んでよいとこブリスベン!?
第31回
顔の見えない世界

文=加納寛之


フレーザー島©Darren Jew / Tourism Queensland
プロフィル
かのうひろゆき●ブリスベン歴5年半。日・米・豪3カ国の弁護士。NY留学中の2001年に9・11テロを体験後、ブリスベンの青空に心を癒され永住を決意。モットーは仕事も遊びも全力投球 ! 週末は妻、娘(3歳)と一緒に愛犬モモの散歩でリフレッシュ。犬連れのアジア人家族を見かけたらそれが僕たちかも ?


 もう中年に入り4歳になる娘もいるのに、つい口をすべらせて娘の友達に自分のことを「お兄さん」などと言ってしまい、まわりのお母さんたちの失笑を買い、妻にはよく怒られておりましたが、先日実妹に子どもが生まれ、名実ともに「おじちゃん」になったロイヤー加納です(ですが心は、いつまでも生き生きとした青年でいたいですよね!)。
 さて、今回は、最近のニュースで気になったことについて書きたいと思います。日本の有名人のブログに誹謗中傷を書き込んだ人物が数人逮捕されたというもの、そして依然として「オレオレ詐欺」の被害が大きいというものです。
 もはや我々の生活になくてはならないインターネットですが、顔も名前も知らない人によって、ただ人の気持ちを傷つけるためだけに書かれたとしか思えない発言を見る機会があると、非常に悲しい気持ちになります。何の生産性も持たない、後味の悪い世界です。自分が実際には口にすることができないことを、匿名であることをいいことに書き散らすのは、卑怯です。また、息子や娘のフリをしてかけた電話で、老いた親の愛情を逆手にとって金を騙し取ろうという詐欺も同じように卑怯です。
 また今朝は、ここオーストラリアで、先日のVIC州の山火事の被災者のために寄付を募るフリをして、金を詐取しようとする電話が相次いでいるということをラジオで聞きました。他人の良心ばかりか被災者の気持ちをも踏みにじる、汚いやり方ではありませんか。
 人間ですから、悪い考えが頭に浮かんだり(それをそっと打ち消したり)、信頼できる人に愚痴をこぼしたり、人の悪口を言ったりすることは、誰にだってあるでしょう。でもそれは、あくまでも自分の気持ちにうまく折り合いをつけるために時として許されるべきもので、決して他人の気持ちを傷つけるために行われてはならないはずです。交わされる自由な議論も、インターネットの匿名性を盾に無責任にされるべきではないと思います。
 最近、このコラムもインターネットで読めるということを知りました。読者はここQLD州で日豪プレスを手に取れる人限定ではないわけですね。顔も名前も知らない方の方が多いでしょうが、どのような媒体でも、読んでくださる皆さんとは、安らかな時間と気持ちを共有できれば、と願います。

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