プレゼンの基本

ロイヤー加納の住んでよいとこブリスベン!?
第36回
プレゼンの基本

文=加納寛之
プロフィル
かのうひろゆき●ブリスベン歴6年半。日・米・豪3カ国の弁護士。NY留学中の2001年に9・11テロを体験後、ブリスベンの青空に心を癒され永住を決意。モットーは仕事も遊びも全力投球!週末は妻、娘(4歳)と一緒に愛犬モモの散歩でリフレッシュ。犬連れのアジア人家族を見かけたらそれが僕たちかも ?


 4歳の娘が通う保育園では、ひと月に1度、「Show & Tell」という時間が各人に順番で回ってくることになっています。指定された日に、それぞれが話す対象となるものを園に持っていき、クラスの前に出て、自分で考えたことを話したり、質疑応答するという時間です。今年に入り、既に数回この「Show & Tell」が回ってきました。題材は「玩具」でなければ何でもよい、ということで、愛犬モモと戯れる姿を撮った写真や、気に入っているタオル、日本に住む祖父を描いた絵などを持って行かせました。
 娘はここブリスベンで誕生しましたが、ずっと日本語で育ててきたため、つたない英語で果たしてきちんとした話ができたのかは疑問ですが、彼女なりに何かひと言ふた言、話をしてきたようです。
 私も職業柄、講演や勉強会の仕事をいただくことがあるのですが、元来決して口が巧みな方ではなく、慣れるまでにずいぶんと時間がかかりました。ましてや英語でとなると、準備にかける時間も2倍、ひょっとしたら、それ以上でしょうか。
 こんな時、ああ英語が母国語だったらどんなにいいだろう ? と思うことはよくあります。準備をもってなんとか言葉の壁を超えられたとしても、効果的な話術やプレゼンテーション能力はまた別物だ、と分かってきたのも、海外に出てからのことです。
 以前、米国で法律の勉強をしていた時、「ソクラテス教授法」と呼ばれるスタイルで進められる授業を取っていました。ソクラテスが弟子たちと対話をしたのになぞらえ、教授が指名した学生と1対1で問答をするスタイルの授業です。名前が呼ばれ、教室中の目という目が自分に注がれ、耳という耳が自分の発言を聴いている、その時の緊張といったら !
 こんな時でも、欧米の人々は余裕があります。どんなにそれが間違ったものでも、はっきりと何かしら答えを繰り出し、その理由を述べ、発言を完結させるのです。もちろんそれぞれ緊張しているに違いありませんが、この悠然かつ自信に満ちて見える態度、きっとこれは幼少時からの「Show & Tell」によって培われたものに違いありません !
 もちろん日本でも社会に出ればプレゼンをしたり、人前で話す機会を持つ人はたくさんいるでしょうから、学校で折々指導してもらえていればな、とおじさんロイヤーはこの年になって思うわけです。娘と一緒に保育園に行って、「Show & Tell」やってこようかな。ボソッ。

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