ギャリー・ハンフリーズ上院議員

政界こぼれ話

政界こぼれ話人物編 その130

ギャリー・ハンフリーズ上院議員

ナオキ・マツモト・コンサルタンシー:松本 直樹

首都特別地区(ACT)選出の自由党連邦上院議員であるギャリー・ハンフリーズは、1958年7月6日にシドニーで誕生している(53歳)。首都キャンベラの豪州国立大学に入学するため、19歳の時に転居して以来、ずっと首都暮らしを続けている。

豪州国立大学法学部を卒業後は4年ほど事務弁護士として活躍。その後キャンベラの公務員、自由党のヴァーンストーン連邦上院議員(注:ハワード保守連合政権下で移民大臣などを歴任した大物議員。政界引退直後にはイタリア大使となった)の私設秘書を務めている。

87〜89年はACT自由党組織の議長でもあった。政界入りは89年。その年はACTに自治政府が誕生した記念すべき年だが、ハンフリーズはACTの初回選挙に自由党より出馬し、見事初当選を果たしている。

結局、ACT議会には5回当選し、議員歴も計14年に及んだ。その間にさまざまな影の閣僚、並びに法務大臣や財務相などの閣僚を歴任しているが、2000年10月から01年11月までの1年強はACTの主席大臣、すなわちトップの座にあった。

ただ01年選挙で自由党が下野したことを契機に、ハンフリーズは連邦政界への鞍替えを図り、そして政界から引退したリードACT選出自由党連邦上院議員の後任として、03年2月より連邦上院議員となっている。その後、04年、07年、そして2010年選挙と、連続当選を果たした(注:各州選出上院議員の任期は6年だが、ACTとNT選出上院議員の場合は連邦下院選挙の度に改選され、任期は下院選挙日から次期下院選挙日の前日までとなる)。

09年末には連邦野党自由党党首にアボットが就任したが、ハンフリーズはその直後の影の内閣の改造で、影の政務次官に就任し、また昨年の連邦選挙後にも影の政務次官ポストを保持している。ちなみに所管は法務や国防調達である。

人柄だが、穏やかで知性的な話ぶり通りに、穏やかで暖かな人物である。ただ地元キャンベラを心底愛するハンフリーズは、ACTの権益問題となると相当な硬派ぶりを発揮する。これは州のステータスを持たない、要するに弱い権限しか保持していないACTやNTの出身議員には共通する特徴だが、地元の権限を制限するかのような連邦政府の動き、連邦の介入には強く反発する。

例えばハワード保守連合政権が、ACT政府導入の同性愛婚姻関連法を連邦議会で覆すという事件があったが、自由党の所属であるにもかかわらず、ハンフリーズはこれに反旗を翻し、連邦政府の無効法案に反対票を投じている。

思想、信条だが、自由党穏健派の重鎮ヴァーンストーンに仕えたことからも伺えるように、社会問題に関心を抱き、社会的弱者の救済のためには政府の一定の介入が必要と考える穏健派に分類できる。家族は細君のキャシーと2人の息子である。

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