イゾベル・レドモンドSA州野党 自由党リーダー

 

政界こぼれ話人物編 その145

イゾベル・レドモンドSA州野党自由党リーダー

ナオキ・マツモト・コンサルタンシー:松本 直樹

ニュース/コミュニティー

 SA州自由党リーダーのイゾベル・レドモンド州下院議員は、1953年4月8日にNSW州のヒースコットで誕生している(59歳)。SA州へと転居したきっかけは、夫のジムと結婚して間もないころにレドモンドの両親が宝くじに当たり、しかも当たり券をレドモンドに与えたからであった。レドモンドは、その資金を元手にアデレードで小さな法律事務所を開いている。

州政界入りを果たしたのは2002年のSA州選挙で、04年からはさまざまな影の閣僚を歴任した。09年7月には、捏造文書スキャンダルの渦中にあった野党自由党リーダーのハミルトン−スミスが(注:ランSA州与党労働党の内部から野党に送られたとされる、労働党への献金にまつわる密告文書なるものが、捏造されたものであったことから、同情報をもとに政府を攻撃したハミルトン−スミスの評価が大きく損なわれることとなった)、党内からの挑戦を受け、正副リーダーの選挙が実施されたが、同選挙でレドモンドは副リーダー選挙に出馬して、見事勝利を収めている。

一方、わずか1票差で勝利したハミルトン−スミスは、このままでは党内求心力の強化は望めないとの考えから、4日後に再度正副リーダーの選挙を実施している。ところが形勢不利との判断から、肝心のハミルトン−スミスがリーダー選挙への出馬を断念。結局、副リーダーに就任したばかりであったレドモンドがリーダー選挙に出馬して勝利し、SA州の野党リーダーとしては40人目、そして同州の大政党では初の女性リーダーとなっている。

翌10年の3月にはSA州選挙が実施されたが、ラン労働党の激戦区重視の選挙戦略が功を奏して、自由党の議席数はわずかに3議席だけの増加に留まったものの、「2大政党選好率」ベースでは労働党を上回るなど、レドモンド指導下の野党自由党は相当に善戦している。

ところが今年に入ってからレドモンドは、連邦上院議員への鞍替えに関心を示したり、また政権の座に就いた暁には州公務員数を大量削減することを示唆するなど(注:その後、党の政策ではないと弁明)、数々の舌禍事件を起こしたことから、レドモンドの党内支持基盤は急激に脆弱化している。

結局、10月には前リーダーのハミルトン−スミスの挑戦を受けたが、辛うじて1票差で勝利し、現在に至っている。

思想的にはSA州自由党内でも右派に位置付けられるが、20代の一時期に労働党の党員であったことからも伺えるように、社会政策分野では相当にリベラルで、例えば同性愛間の婚姻問題にも前向きである。

人柄だが、レドモンドの率直かつ庶民的な語り口、姿勢は州民の間でも好評である。ただ上述したように、連邦政界への鞍替えに一時関心を抱くなど、レドモンドには是が非でもSA州首相の座を射止めたいという、ハングリー精神が欠如していると批判されている。ジムとの間に3人の成人の子どもがいる。

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