第139回 椎葉神楽

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第139回
椎葉神楽(しいばかぐら)

ご機嫌いかがですか、れんです。

今年で第2回となる全豪青少年競書展が開催され、昨年に引き続き、我がRENCLUBは大変優秀な成績を収めることができました。競書は3歳から26歳までを4つにグループ分けし、それぞれ1~3位の入賞者とともに、複数の入選者が発表されます。

RENCLUBから応募した作品は、入選以上が11人。全体で41人の入選者のうち、4分の1強を占めました。そして4グループ全てで3位を獲得。また3歳から8歳のグループでは、5歳の男児の作品「ゆめ」が堂々の第1位に輝いたのです。審査員全員が中国人だということを考えれば、快挙と言えはしないでしょうか。

これらの結果はひとえに日頃の稽古の成果だと改めて思います。今回の受賞で積み重ねの大切さを子どもたちも理解できたのではないかと思っています。入選作品はそのまま「アジアン・インターナショナル・ユース・カリグラフィー・フェスティバル」へと駒を進めることになります。楽しみがどんどん広がっていきますね。

さて、九州山地の中央部、熊本県と接する宮崎県北部に位置する東臼杵郡椎葉村では11月中旬から12月下旬にかけて「椎葉神楽」が開催されます。この椎葉村には平家の落人(おちうど)伝説があり、それは「椎葉山由来記」(江戸時代)に記されています。

源平の戦での活躍が「平家物語」や「太平記」でも出てくる弓の名手・那須与一。その弟・那須宗久が平家の残党狩りに日向の国にやって来ます。椎葉で残党を発見しますが、彼らに戦意がなかったので討つのをやめてしまいます。そしてそこで平清盛の末孫であった鶴富姫との間に娘を儲けるのです。その後、宗久は本領に帰りますが、椎葉に残った娘の婿が那須姓を名乗って椎葉を治めることになりました。この一連の逸話を謡ったものが宮崎民謡「ひえつき節」です。

また、江戸時代の建造物として現存する「鶴富屋敷」は国の重要文化財に指定され観光名所となっています。とは言え、この地域は道路が開通してからまだ100年に満たず、近年まで秘境とされていた所でした。それ故、明治の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の影響を受けることなく、神仏混淆(こんこう)の色合いを色濃く残した文化が伝えられています。

椎葉神楽の始まりは天正期、信長政権のころです。神主・黒木済門之助が阿蘇神社で学んだのをこの地に伝えたとされています。村内26カ所の集落の民家や神社拝殿、公民館などを神楽宿とし、そこに神霊を迎える場所(御神屋(みこや))として正面に高天原を設け、周囲を注連(しめ)や彫(え)り物で飾って舞所とします。

各種供え物の調整や幣(へい)切りなどの準備の後に神迎えがあり、神送りをして祭りの次第を閉じまるまで、三十三番を基調とした演目が夜を徹して行われます。舞には、扇子や刀などを持って舞う「採り物舞」と鬼神の面などを着けて舞う「面の舞い」があります。

では作品をご覧ください。行草を使った「椎葉神楽」です。ダイナミックで派手な動きではありませんが、軽快な舞を想起させるようなイメージを持って書きました。

文字の崩し方というのは1つだけではありません。その文字を構成しているパーツの崩し方にも幾つかあるし、組み合わせや細かいアレンジを加えるとその数はさらに増えます。それらをどう使うかはまさに書き手の技量とセンスによるものとなるのです。日々是修行、です。


れん(書家/アーティスト)
アーティストとして永住権取得。2010年、作品「ふるさと」が日本の国有財産として在豪日本国大使館に収蔵される。Government Houseでの企画展など日・豪・ドバイで作品展示多数。在豪日本国大使館、在オークランド日本国総領事館の招聘によるイベント参加やNSW州立美術館ほか各地で大書パフォーマンスやワークショップを展開。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に書家として参加。2016年シドニー総領事表彰を受ける。書団れん倶楽部主宰。チャッツウッドで書道教室運営。RENCLUB Lineスタンプ販売中。
Web: renclub.amebaownd.com / Email: renclub@gmail.com / 動画: youtube.com/user/renclub / インスタグラム: instagram.com/renyano

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