【サクラホテル】路上の「迷い外国人」を救うか見過ごすか?

世界中から毎年約110カ国籍のゲストが訪れるという、東京のサクラホテル。ここでは毎日国際色豊かな光景が広がっている。そこで本コラムでは、このサクラホテルのスタッフたちが、ユニークなゲストたちやエピソードをご紹介。

サクラホテルとは?
「世界中の人々が出会い、お互いに理解し合う場を作りたい」をモットーに、創業以来、海外からのゲストに東京での滞在先を提供しているホテル。世界各地から集まってきたゲストたちが、日本という異国の地で1つ屋根の下で生活をすることによって交流を深め、多様な価値観を共有することを目指す。

路上の「迷い外国人」を救うか見過ごすか?

私の勤めるサクラホテル池袋がある池袋駅は「世界」第2位の1日平均乗降客数を誇る巨大ターミナル駅だ。「迷い外国人」を見るのは毎日だが、「May I help you?」と聞いても流暢な日本語で「結構です」と返されたりする。

だが、恥ずかしいなどとくじけてはいけない。私自身もバックパッカーとして36カ国を巡ってきたが、右も左も言葉も分からない異国で親身になって助けてくれた人は正に「神」のように感じるのであり、帰国してからも思い出すのはその土地の観光名所や料理よりも、「その人」の顔だったりする。だから、くじけずに「日本で助けてくれた親切な人」になろうとする。


思い出深いオーストラリアからの親子ゲストと

その日も私は池袋駅で「迷い外国人」の親子を見つけた。しばらく観察してみたが、完全に迷っているようなので勇気を出して声を掛けてみると、なんと我がサクラホテル池袋の宿泊者でホテルに向かうのだという。「私は従業員だから、一緒に行こう」と申し出たが、これが初めての海外旅行だという母親の表情が、明らかに警戒している。確かに、海外の駅で迷っている時に「自分はそこのホテルの者だ、ついてこい」と言われたら、警戒するだろう。ぼったくりバーか、予約してもいない別のホテルか、それともタクシーに乗せられて吹っかけられるのか…。心配は当然だ。

ホテルの看板が見え、雨で濡れた体を拭くためのタオルを差し出した頃にはようやく母親からの本当の笑顔と「Thank you」がいただけた。「日本っていい国ね!」という印象を与えることができ、これでミッション・コンプリートだ。数十年後にでも母と娘の間の雑談の中に「池袋駅の子、覚えてる?アレ最初は絶対、怪しいと思ったよね(笑)」なんて言われるのかな…と勝手に妄想してほくそ笑めば、次にまた「迷い外国人」に声を掛ける勇気も出てくる。

東京オリンピック開催決定で、「おもてなし」という流行語が生まれた。今ワーキング・ホリデーや留学をしている日本人も、オリンピック時に日本にいるならその英語力を存分に生かしてほしい。勇気を出して「おもてなし」をした時、それは「迷い外国人」の記憶にだけでなく、自分の心の中にも「小さな誇り」として心地よく残るのだ。

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