インセプション、ソルト、他

シネマ・チェック     ★=20点 ☆=10点

インセプション   Inception /M

公開中★★★★(TH)

今月のムービー・レビュー

 クリストファー・ノーラン監督が注目されたのは、2作目の映画『メメント』。時系軸を逆にした斬新な内容で、話が終わりから始まるという一歩間違えば収拾がつかなくなるような展開の映画を、見事にまとめた手腕が高く評価された。そして、迷走していた『バットマン』シリーズを復活させ、『ダークナイト』では、ピリピリするような緊張感や、全編を通してのダークな世界観で、メディアからの大絶賛を受け、映画は大ヒット。一躍人気監督となった彼の待望の新作が『インセプション』だ。
 しかし公開前は情報が少なく、難解な映画という評判で、興行的に『ダークナイト』のようなヒットは難しいのでは、と囁かれていた。しかし、そこはクリストファー・ノーラン。複雑なストーリーを中だるみすることなく描き、何層にも分かれた各世界で派手なアクション・シーンを盛り込み、新たな映画体験ができる驚きの作品に仕上がっている。夢の世界ということで『マトリックス』に似た世界観が構築されており、全米ではリピーターも多く、公開2週目も興行成績トップというメガヒットになっている。

今月のムービー・レビュー

 今回のヒットにつながっているのは、パリの街を折り畳んだりする驚異の特撮もあるのだが、それ以上に出演者の顔ぶれも手伝っていると思う。通常、この手の特撮中心の作品となると、俳優までお金がまわらず、無名の新人などを起用することが多いのだが、主演のディカプリオはもちろん、『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』のマリオン・コティヤール、『JUNO/ジュノ』のエレン・ペイジ、『(500)日のサマー』のジョゼフ・ゴードン=レヴィット、『ロックンローラ』のトム・ハーディーなど、映画好きが唸るようなキャスティングとなっている。その中で、渡辺謙が主要キャストの1人となっているのは、日本人として嬉しいもの。『バットマン ビギンズ』に続きクリストファー・ノーラン監督とは2度目の仕事になるのだが、これで名実ともにハリウッド・スターと呼べるだろう。
 一部で難解などと言われているが、映画の中の「夢」に対してのルールさえ理解すればどっぷりと楽しめるはず。眠っていて水がかかれば、夢の中でも雨が降ってきたり、皮膚感覚としても十分理解できるものだ。エンド・シーンも意味深で、ぜひ大スクリーンの劇場で味わってほしいお薦めの1本。

ソルト     Salt /M
今月のムービー・レビュー

8月19日公開予定★★★(AS)
 CIAエージェントのソルトは、ロシアからの亡命者オルロフにロシアのスパイだと密告され、立場が一転、CIAに追われる身となる。ソルトは髪型を変え逃亡するが…。アンジェリーナ・ジョリーの出演が決まったため、急遽主人公の役柄設定を女性に変更して脚本が書き直されたというだけあり、ジョリーの魅力が十分に引き出された作品。

ゴーイング・ザ・ディスタンス     Going the distance /TBA
今月のムービー・レビュー

8月26日公開予定★★☆(KO)
 ニューヨークとサンフランシスコ。離れて暮らすことになったカップルの遠距離恋愛を描くロマンチック・コメディー。周りの家族や友達をも巻き込み、2人は幾多の障害を乗り越えていくことができるのか。私生活でくっついたり離れたりしているドリュー・バリモアとジャスティング・ロングがスクリーン上でもカップルを演じる。

エクスペンダブルズ     The Expendables /MA15+
今月のムービー・レビュー

8月12日公開予定★★★(YN)
 シルベスター・スタローン監督・脚本・主演のアクション映画。傭兵部隊が使命を果たすため、南アメリカに送りこまれる。『トランスポーター』のジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ドルフ・ラングレン、ミッキ−・ロークなど、そうそうたるメンバーが出演。まだまだ現役、とばかりにスタローンもアクション・シーンで奮闘している。

スペシャル・リレーションシップ     The Special Relationship /M
今月のムービー・レビュー

8月5日公開予定★★★☆(MS)
 イギリスのトニー・ブレア元首相とクリントン元アメリカ大統領の関係を描いた作品。政治的な要素だけでなく、2組の夫婦関係にも焦点を当てているところがおもしろい。2006年公開の映画『クィーン』でロサンゼルス映画批評家協会賞を受賞したマイケル・シーンが本作で再びブレア元首相役を演じている。

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