編集部イチ押し!8月の新作映画をチェック

 辛口コメントで映画を斬る、映画通の日豪プレス・シネマ隊長と編集部員たちが、レビューやあらすじとともに注目の新作を紹介 ! レイティング=オーストラリア政府が定めた年齢制限。G、PG、M、MA15+、R18+、X18+があり、「X18+」に向かうほど過激な内容となる。作品の評価は5つ星で採点結果を紹介。
 

ザ・カンジュアリング
The Conjuring
    ホラー/MA15+

今月のムービー・レビュー

公開中 満足度★3.5
隊長が観た!

7作目でシリーズが完結した『ソウ』。その第1作目の監督であり、原案者でもあるのが、マレーシアで生まれで幼少期にオーストラリアへ移住してきたジェームズ・ワン。メルボルンの大学で知り合ったリー・ワネルと製作した、わずか8分のパイロット版の『ソウ』を元に映画会社に売り込み、結局、監督と主演に彼らを起用するという条件を唯一聞き入れたエヴォリューション・エンターテイメントによって低予算で製作されることになった。

そうして完成した映画は、低予算ながら斬新なアイデアとラストのインパクトによって世界中で大ヒット。その後、7作にわたりシリーズ化されることになったが、シリーズが進むにつれグロさが増すばかりで、一部のコアなファンのためのシリーズとなってしまった。ジェームズ・ワンは2作目以降、プロデューサーとして参加していて、監督としては『デッド・サイレンス』『狼の死刑宣告』『インシディアス』と3本の映画を製作。今回紹介するのは彼の最新監督作だ。

正直、全く期待していなかった。前作の『インシディアス』が怖くなく、おどろおどろしい音楽にのったタイトルの出方とか、音で怖がらせる(ビックリさせる)手法など、ひと昔どころか大昔のホラー映画でも見ているようだったからだ。この作品も低予算で撮られているが、予算のなさがバレバレで、スモークを焚いただけの霊界シーンとか、失笑ものだった。なんだか『ソウ』ですっかりグロや残酷描写で有名になってしまって、そのイメージが定着するのを恐れて、敢えて真逆のアプローチをしているように感じられた。そして、それが成功することなく、ただ単にオールド・スタイルのホラー映画の亜流パロディーでしかなかった。唯一良かったのは、家の中で起こる不思議な出来事を淡々と描く映画前半だ。

そして今作は驚くことに、その前作の良かった部分がラストまで続き、合格点のホラー映画となっている。主演のパトリック・ウィルソンが再び登場していたり、室内で起こる怪奇現象など、『インシディアス』と似ている個所が多いのだが、映画としての統一感があり、落ち着いたトーンや、チラリと登場する悪霊の描き方など、これが同じ監督作品とは思えないほどだった。基本的に今回も、『エクソシスト』『ポルターガイスト』といったもう古典とも言えるホラー映画を意識しているが、家族のほっとするようなシーンを間に挿入したりするなど、映画全体の強弱の付け方も申し分なかった。

1970年代に、ロード・アイランドで起きた超常現象事件の「実話」が元になっているところも、恐怖度を上げている。また、アメリカでは残酷なシーンはないが、内容があまりにも怖すぎるという理由で成人向けのR指定となった上、試写の反応が良く、急きょサマー・ムービーとして格上げされ、話題も満載。一発屋と思われたジェームズ・ワンだけど、今作でかなり見直した。ただ、まだ若いので、このようなオーソドックスな手法ではなく、やはり『ソウ』のような斬新なアイデアあふれる作品が見てみたいかな?


キック・アス2
Kick-Ass 2
     アクション・コメディー/レイティング未定

今月のムービー・レビュー

8月22日公開予定 期待度★3.5

スーパーヒーロー映画『キック・アス』の2作目。デイブ、ミンディ、クリスなどのお馴染みのキャラクターに加え、ジム・キャリーが自警団のボス役で登場する。前作よりちょっと大人になったキック・アスこと、オタク高校生デイブと、美少女ヒーローのヒット・ガールことミンディの戦いがまた始まる。デイブは高校卒業間近で特に夢もなく、成り行きでシティの自警団に加わるが、彼を恨む悪者レッド・ミスト(元マザー・ファ○カー)であるクリスが攻撃してきて…。


ウルヴァリン:SAMURAI
The Wolverine
     アクション/M

今月のムービー・レビュー

7月25日公開予定 期待度★★★★

スーパーヒーロー映画『X-MEN』シリーズのスピン・オフ。ワイルドな風貌に、あらゆる物質を切り裂く爪と驚異的な治癒能力を持つキャラクター、ウルヴァリンが、現代日本を舞台に悪と戦う。日本では本格的なロケが行われ、シドニーのチャイニーズ・ガーデンなどでも撮影された。豪州俳優のヒュー・ジャックマン扮するウルヴァリンが、真田広之演じる悪役と対峙するシーンが話題に。スーパー・モデルの福島リラ、TAOなどの活躍も注目されている。


グランド・イリュージョン
Now You See Me
     クライム・フィクション/レイティング未定

今月のムービー・レビュー

8月8日公開予定 期待度★★★

若きマジシャン4人とFBI捜査官、元マジシャンらが繰り広げる、華麗なクライム・フィクション。映画『ソーシャル・ネットワーク』のジェシー・アイゼンバーグや、豪州出身女優アイラ・フィッシャー、モーガン・フリーマンなどが出演する。マジシャン4人はラスベガスでのショーで、プログラムの最後にテレポートを用いてあるパリの銀行で銀行強盗を行い、盗んだ金を観客にばら撒くパフォーマンスを行う。FBIと元マジシャンは彼らの悪事を暴こうとするが…。


ペイン・アンド・ゲイン
Pain & Gain
     アクション・コメディー/MA15+

今月のムービー・レビュー

8月8日公開予定 期待度★★★★

『アルマゲドン』『パール・ハーバー』『トランスフォーマー・シリーズ』などの大ヒット作を続々と生み出している、マイケル・ベイ監督の新作アクション・コメディー。マーク・ウォールバーグ、ドウェイン・ジョンソンら、マッチョ俳優が犯罪に手を染めるボディ・ビルダー役として登場する。マイアミのボディ・ビルダー、ダニエルと、出所したばかりのポールが、あるジムの常連で金持ちの男を拉致し、財産を強奪して一攫千金を狙うが、追い詰められてとんでもない展開に!?

 

新着記事

新着記事をもっと見る

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る