vol.19 ライブなお店紹介:1 The Tote

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メルボルン・ロック・シティ
vol.20

ライブなお店紹介 : 2 Forum

 今回紹介するのは、1929年に映画館としてオープンして以来、現在までメルボルン・シティのアイコンであり続ける「Forum Theatre(フォーラム・シアター)」です。初めて入った人は、何といってもまずその美しさに息をのみます。もともと2階席だったところを仕切って「Forum 2」という別のベニューにした以外は、80年前と変わらない内装で、夜空を思わせるブルーの天井に多くの彫刻が並ぶ荘厳な雰囲気は、それだけで一見の価値があります。
 スタンディングでキャパ1,500人、海外の大物アーティストの公演も多いForumですが、ここ数年、地元のインディー・アーティストたちの出演も増えています。といってもメルボルンのインディー・アーティストたちが、急に1,000人以上も集客できるようになったわけではありません。もちろん中には、レコ発ライブをここでやったDronesなどの大物インディーもいますが、多くの場合、地元のインディー・アーティストは、メジャー・アーティストのサポートとしてForumに出演する機会を得ます。
 サポート=Support Actは、日本語で「前座」とか「対バン」などと訳されたりしますが、これだけではちょっとイメージがわきにくいかもしれません。複数のサポートがある場合、最初の出演者は、オープナーとも呼ばれ日本でいう「前座」のイメージに近いでしょう。
 トリ=Head Linerとその直前に出るメイン・サポートは、ボクシングなどのチャンピオンとチャレンジャーの関係に近い場合も多く、地元のアーティストにとっては、ここでのサポートにブッキングされることは、大きなチャンスでもあるのです。インディーズのトップとメジャー・アーティストの真剣勝負が見られるのがForumのような大規模なベニューの面白いところです。
 10月9日にはメルボルン・インターナショナル・アーツ・フェスティバルの招きで、オルタナ系ロックのカリスマ“ボアダムス”が、Forumにやって来ます。日本が世界に誇るインディー・ロックの重鎮を、ぜひ、この機会に華麗なるForum Theatreでご覧ください。筆者は“チャレンジャー”KES Bandのミックスをしております。
■Forum Theatre
154 Flinders St., Melbourne (Cnr. Russell St. & Flinders St.)
Web: www.forummelbourne.com.au


NAOプロフィル
本名は安齋直宗。キーボーディスト、アレンジャーとしてTHE BOOM、坂田おさむなど数多くのミュージシャンのツアーやレコーディングに参加。テレビ・コマーシャルやベネッセの「しまじろう」シリーズなどの子ども向けの楽曲も多く制作している。2003年メルボルンに移り、バンドLAURAのプロデュースで「Beat Magazine Single of the year 2004」を受賞するなど、地元のインディーズ・シーンに欠かせないエンジニア・プロデューサーとして多忙な日々を送る。
■NAOウェブサイト:web.mac.com/nao24db

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メルボルン・ロック・シティ
vol.19

ライブなお店紹介:1 The Tote

 さて今月から少し趣向を変えてメルボルンの有名なライブ会場を1軒ずつ紹介していこうと思います。
 第1回は、やはり最近最も話題の多かったコリンウッドの「The Tote(トート)」です。 今年の1月にリカー・ライセンス・ディレクターによる理不尽なハイリスク・コンディションの煽りを受けて閉鎖に追い込まれ、翌月これに抗議するラリーが、実に2万人近くも集めて一般紙の1面トップになったのは、記憶に新しいことでしょう。このラリーのおかげもあって「The Tote」は、6月に新オーナーの下で晴れて営業を再開しました。
 1ライブハウスの閉鎖に抗議して2万人もの人が集まったというのは、未だかつて聞いたことがありません。メルボルンのローカル音楽コミュニティーの大きさを示したとともに、名実ともに「The Tote」が、そのコミュニティーのアイコンの1つであることを証明した事件でした。
 「The Tote」は、80年代前半から今のようなロック中心のライブハウスとして、またミューゾー(ミュージシャン)やパンター(音楽ファン)の集まるパブとして営業を始めました。収容人数は約300人。決して大きなコンサート会場ではありませんが、この約30年の間に数え切れないほどのアーティストたちが、ここを足がかりに大きくなっていきました。まさにメルボルン・ロック・シティの生き証人のようなベニューです。
 パブやバンドルームの壁には、そうしたアーティストたちの古い写真やポスターが今でも多く残されており、特にバンドを見に来たわけではなくても、フロント・バーや2階のコブラ・バーで飲んでいるだけでメルボルンのロックの歴史を感じることができます。
 バンドルームの入場料は、6ドルから15ドル程度が相場です。ギグによっては、バンドルームの外にあるコートヤードでフリー・バーベキューがあるのも魅力の1つ。6月のリオープン後は、週末にはタコスの屋台も楽しめるようになりました。
 ラリーの時、誰かがプラカードに書いていました。「神は、ロックをお与えになった。Toteを通じて… 」。
■The Tote
住所:71 Johnston St., Collingwood (Cnr. Jonston & Wellington Sts.)
Web: www.thetotehotel.com


NAOプロフィル
本名は安齋直宗。キーボーディスト、アレンジャーとしてTHE BOOM、坂田おさむなど数多くのミュージシャンのツアーやレコーディングに参加。テレビ・コマーシャルやベネッセの「しまじろう」シリーズなどの子ども向けの楽曲も多く制作している。2003年メルボルンに移り、バンドLAURAのプロデュースで「Beat Magazine Single of the year 2004」を受賞するなど、地元のインディーズ・シーンに欠かせないエンジニア・プロデューサーとして多忙な日々を送る。
■NAOウェブサイト:web.mac.com / nao24db

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