ブロードウェイ直輸入!『SOUTH PACIFIC/南太平洋』

今月のシアター・レビュー

Opera

ブロードウェイ直輸入!
不朽の名作ミュージカル

『SOUTH PACIFIC/南太平洋』


2008年、ニューヨークのリンカーン劇場で開幕したブロードウェイ作品の『南太平洋』がオーストラリアに上陸、8月11日よりシドニー・オペラ劇場で公演を開始した。


バーレット・シャー演出によるこの作品は、08年のトニー賞を総なめし、2年半に及ぶ公演を経て現在も国内ツアーを継続中。ロンドンのウエストエンド公演でも、ソールド・アウトの後に国内ツアーを開始し、ロング・ランを続けている話題のミュージカル。


(Photos: Jeff-Busy)

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ミュージカル『南太平洋』は、ジェームズ・ミッチナー原作の書籍『南太平洋物語』を1949年にリチャード・ロジャーズ(作曲)とオスカー・ハマースタイン2世(作詞)が制作した作品がオリジナル。1950年にトニー賞を受賞した。終戦後まもない時代に、戦時中の出来事を現実的に語ったミュージカルとして、当時話題を呼び、1958年にはハリウッドで映画化もされている。

オペラ劇団がミュージカルを上演するにあたり、オペラ・オーストラリアのアーティスティック・ディレクターであるリンドン・テラチーニは、「バーレット・シャー演出のミュージカル『南太平洋』は、トニー賞を7部門で受賞した優れた作品で、ブロードウェイでは1,000回公演、現在もアメリカとイギリスで公演中。多くのオペラ作品がそうであるように、このミュージカルもマスター・ピースであり、劇中には偏見、戦争、寛容、愛へ向けたパワフルなメッセージが含まれている」と語る。

同劇団は、オーストラリア最大の劇場プロデューサーであるジョン・フロストとパートナーシップを提携したばかり。この2団体が手を組んだ第1弾の作品が『南太平洋』となる。

オーストラリア公演ではオーストラリア人歌手が多く起用されるのが通例だが、今回は、オペラ・オーストラリアでおなじみニュージーランド出身のバリトン歌手であるテディ・タフ・ローズがフランス人農場主エミール役を演じる。最近では同劇団の最新作『ドン・ジョバンニ』で、持ち味の深みのある声量と舞台映えする長身を生かして主役を演じ、筋肉質の肉体美を披露して話題に。ますます人気上昇中のオペラ歌手であり、近年はアメリカで出演機会を増やしているようだ。

エミールの恋人のネリーには、ミュージカルをはじめ、テレビや映画で活躍するリサ・マキューン。ソフトな美声と表現豊かな演技を披露する。ポリネシア先住民のブラディ・マリー役は、ジャズやポップ界で活躍する歌手、ケイト・セベラノが演じる。迫力ある声量に注目。

若くてハンサムなケーブル中尉には、エディーパー・フェクトが登場。歌手、役者、コメディアンとして幅広い活躍を見せるタレントだ。

太平洋戦争当時を再現した舞台デザインと衣装は、ブロードウェイ直輸入。シンプルながらも洗練されたセンスを感じさせる。

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本作は、第2次世界大戦中の米軍基地である、とあるポリネシアの小島を舞台に2組の男女の恋愛模様を描く。有色人種と白人との差別が公然となされた時代。異人種間の結婚に対する偏見を基盤に、問題提起を多く含んだストーリーが、数々の名曲や意味深い曲とともに心に迫る作品だ。

19 4 9 年にアメリカで生まれ、6 3年の年月を経て太平洋を渡ってきたミュージカル『南太平洋』。今でもたっぷりと楽しめる作品だということを見せてくれた。

シドニー公演を見逃した方は、メルボルン公演でお楽しみを。

■ストーリー

第2次世界大戦の真っ只中、南太平洋のとある島には、日本軍と対戦する米軍基地がある。そこに駐屯する従軍看護婦のネリー・フォーブッシュ(Lisa McCune)は、フランス人で農場主であるエミール・デ・ベック(Teddy Tahu Rhodes)と知り合い、恋に落ちる。エミールの家のテラスで恋を語る2人。ネリーは「底抜けの楽天家」(ACockeyed Optimist)、エミールは「魅惑の宵」(Some Enchanted Evening)を歌う。

一方、島の町中には兵士や土産売り女ブラディ・マリー(Kate Ceberano)の姿が。兵士たちは陽気に「女が一番」( T h er e’ s Nothin’Like a Dame)を、マリーはエキゾチックな魅力たっぷりに「バリ・ハイ」(Bali Ha’i)を聞かせる。

そこへ1人の若い中尉が赴任してくる。日本軍の居場所を見つける指令を受けたケーブル中尉(Eddie Perfect)だ。ブラディ・マリーは娘のリアット(Celina Yuen)をケーブル中尉に紹介。2人を結婚させたいのだ。

2人は恋に落ちるが、ケーブル中尉は有色人種であるリアットとの結婚を躊躇する。一方ネリーはエミールがかつて現地の有色人種と結婚し2人の子どもがいることを知り、愕然とする。

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ブラディ・マリーは、娘のリアットとケーブル中尉との結婚を予感し、若い2人の喜びを「ハッピー・トーク」(Happy Talk)で表現する。偏見は生まれつき持っているのではなく、そのように誘導されたものだと言い、「教えられて」(You’ve Got To Be CarefullyTaught)を歌うケーブル中尉。そんな中、エミールはケーブル中尉の任務遂行に協力する決意を固め、2人は日本軍の居場所の偵察に出発する。

やがて、ケーブル中尉の戦死が知らされ、エミールは音信不通に。ネリーはエミールへの深い愛に気付き、残された2人の子どもの世話をしながらエミールの帰りを信じて待つ。そして子どもたちとフランス語の歌を歌っていたある日、エミールが無事に帰宅する。


上演:英語
公演時間:20分の休憩1回を含む3時間

information
シドニー公演:
▼上演:シドニー・オペラ・ハウス(オペラ・シアター)
▼上演日時:夜の部(7:30PM)9月1・4〜8日、マチネ(土1PM、日3PM)9月1・2・5・8・9日
▼料金:$49〜280
▼予約Tel:(02)9318-8200、Web: www.opera-australia.org.au
 
メルボルン公演:
▼上演:Princess Theatre, 163 Spring St., Melbourne VIC
▼上演日時:夜の部(7:30PM)9月13〜15、18〜22、25〜29日、10月2〜6、9〜13、16〜20、23〜27、30・31日、11月1〜3、6〜10、13〜17、20〜24日、マチネ(水1PM、土2PM、日3PM)9月15・16・19・22・23・26・29・30日、10月3・6・7・10・13・14・17・20・21・24・27・28・31日、11月3・4・7・10・11・14・17・18・21・24・25日
▼料金:$79.90〜
▼予約Tel: 1300-111-011(Ticketmaster ) Web:Ticketmaster.com.au

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