オーストラリア国内旅名鑑!(1)


 

-オーストラリアを旅する!-
在住の旅のプロが「自分で行きたい」と答えた
オーストラリア国内旅名鑑

 

 オーストラリア在住の皆さんの中には「忙しい」「出かけるなら日本へ」などと、オーストラリア国内の旅行に足が向かない人も多いのではないだろうか。とはいえ、この広大なオーストラリアには日本にない魅力がたっぷり詰まっている。そこで本企画では、日本で温泉地へ出かけ日常をリフレッシュするように、身近な国内旅へ出ることを提案する。シドニー在住の国内旅行を熟知した6人に“自分で行きたい場所”を徹底取材した。生涯忘れることができないような、この国だからできる旅へ出かけよう。 (取材・文=市毛綾)

 

旅のプロ6人に聞いた!  |  週末で行くお薦めの旅

 

 

鉄道で巡るかけがえのない時間 - Indian Pacific -

シドニー⇔パース間は4,352キロ。65時間の旅(ⒸGreat Southern Rail)

 旅のプロ1人目、自身も海外暮らしが長い岩坂さんのいち押しは「鉄道の旅」だ。日本の約20倍にも及ぶ広い国土を有名な長距離鉄道「ガン号(ダーウィン⇔アリス・スプリング⇔アデレード)」やシドニー発の「インディアン・パシフィック号(シドニー⇔アデレード⇔パース)」で巡るもの。車窓からの壮大な大自然、砂漠、夕焼け、朝焼けをゆっくりと眺め、真っ暗になったらずっと読みたかった本を読む…そんな情緒のある旅ができる。


プラチナやゴールド・クラスには豪華なラウンジ・カーや食堂車も

座席車、寝台車の席タイプもさまざまで、アメニティや食事が付くものも。価格は「エクスプローラー号(シドニー⇔キャンベラ)」など比較的近距離なものは座席車39.55ドルからと手ごろであり、シドニー・セントラル駅の1番線から、ふらっと出かけられるのも嬉しいところだ。行きは鉄道で、帰りは飛行機というのもいい。時間を贅沢に使い、1人でも家族、友人とでも思い出を深く刻む時間を過ごせるはず。

Pick Up


Photo:Paul Ewart

飛行機好きは必ず行くべき カンタス航空発祥の地「ロングリーチ」

 現カンタス航空の本社はシドニーにあるが、前身となる「Queensland and Northern Territory Aerial Services Ltd(QANTAS)」発祥の地はクイーンズランドのロングリーチ。ブリスベンから小型機で約2時間15分の所に位置する。荒野のサバンナ地帯にカンタスの旧型ジャンボ機が展示される「カンタス・ファンダーズ・アウトバック博物館」がある。


旅の格言
“日本に行くのは旅じゃない”
HIS シドニー・オフィス マネジャー 岩坂亘さん
旅行会社勤務歴21年。自身もシンガポール、ロンドン、フィジーなど長く海外で暮らし、オーストラリアは15年目。かなりの乗り物通。紹介した鉄道のチケット手配も可能とのこと。

 

 

知られざる世界自然遺産、ロード・ハウ諸島 - Lord Howe Island Group -

独特の地形と生態系から1982年に世界自然遺産に(ⒸCapella Lodge)

 JTBで国内旅行に携わる藤野さんは本土から東に約600キロ離れたところに位置するNSW州の「ロード・ハウ諸島」をお薦めしてくれた。約700万年前に海底火山が隆起し、1788年に発見され、19世紀から人が移住するようになったという世界自然遺産。シドニーまたはブリスベンからカンタス航空の小さな飛行機で2時間でたどり着けるこちらは、人口は350人、観光客は1日400人しか受け入れないという、知られざる自然の楽園だ。


熱帯魚から回遊魚まで約500の魚が生息している(ⒸCapella Lodge)

ここにしかいない鳥や世界最南端の珊瑚礁など、雄大な自然がもたらす恵みが旅行客を虜にし、レベル分けされたコースがあるウォーキング、ダイビング、釣りなどのアクティビティーを長めの滞在でゆったりと楽しむ人が多いという。まさしく秘境ともいえる場所は、オーストラリア国内からのアクセスがしやすい。自分での手配が難しい場合は旅行代理店にお願いするのがお薦めだ。

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ⒸTourism Australia

ちょっとマニアックな旅に行くなら地下に街がある !? 「クーパービティ」

 アデレードから内陸部に向かった960キロにあるのが、オパールの採掘場として知られる「クーパービティ」。夏の気温が40度を越え、冬は夜10度以下に下がるため、地下に穴を掘って作られた住居に人々が住んでいた。今も実際にオパールが掘られた穴に宿泊できるバックパッカーズ・ホテルもある。


旅の格言
“美しい風景を見たくない人はいない”
JTB ウェブ・セールス・マネージャー 藤野圭さん
2007年から旅行業界でインターネットの販売を担当。ケアンズで6年の勤務後、シドニーへ。交通機関が複雑で物価が高いシドニーでお得なオプショナル・ツアーの販売を行っている。

 

 

大切な家族とロッジで過ごす、自己流の旅 - Hunter Valley -

広大な土地に70以上のワイナリー(ⒸPernod Ricard Winemakers Pty Ltd)

 日本旅行の安達さん家族は、自身もよく出かけるという「ハンター・バレーへの家族旅行」を提案してくれた。3〜4家族が集まって、宿泊先としてロッジを予約する2泊3日。シドニーから160キロ、行きの運転手はじゃんけんで負けた人だという。というのも、向かう途中にオーストラリア有数のワインの名産地として知られるハンター・バレーのワイナリーに数軒立ち寄るからだ。ロッジでは、ケースで買ったワインをバーベキューとともに味わうという、近場ながら旅気分を存分に味わえるコース。

冬場には暖炉があるロッジに泊まるのも風情がある。小さな子どもがいて遠出が難しい人でも、友人同士が集まるからこそ楽しめるのがこのプラン。「日本にはないオーストラリアの名所はシドニーのすぐそばにもたくさんある」と安達さん。自身の楽しみ方を見つける旅はどうだろうか。

(左)試飲をしたらケースで購入し、お土産にも(ⒸAudrey Wilkinson Vineyard Pty Ltd)

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珊瑚礁でできた美しすぎる島「ウポル・ケイ」

 真っ白な砂浜、澄んだ水が美しく、植物も生えていない小さな島「ウポル・ケイ」。珊瑚が隆起して形成された、いつ海面に沈んでもおかしくないほどの小ささだ。ケアンズから船で行くことができ、シュノーケルやダイビングが楽しめるという。また“ケイ”は砂丘という意味で、近くには「ミコマス・ケイ」という少し大きな島もあるという。


 

旅の格言
“いつか行くと思ったら大間違い!”
日本旅行 シドニー支店 支店長 安達定儀さん
旅行会社勤務歴16年。日本で添乗員、営業としての経験もあり、その後来豪しケアンズ、シドニーに勤務。上下以外のお薦めはポート・スティーブンスの砂丘で星空を眺める“天然プラネタリウム”。

 

 

手付かずの自然が残るタスマニアの島 - Maria Island -

全体の20%が世界自然遺産に指定されている(ⒸMaria Island Walk)

 旅行会社で働きながら、実際に自分の目でも見て、感じたいと、自身も旅好きを認める三島さんは、オーストラリアの魅力を存分に感じられる場所が好きだという。お薦めしてくれたのは、タスマニアのホバートから日帰りでも行くことができる「マライア島」。


ウォンバットやタスマニアン・デビルなどの動物も(ⒸTourism Tasmania)

絶滅や疫病などの危機に直面している、タスマニアの動植物にとって「ノアの方舟」と言われ、手付かずの大自然が今も守られ、残されている島だ。海や風の風化でできた砂岩の縞模様が美しい絶壁や、数億年前の化石が堆積した絶壁、世界遺産に登録された歴史ある建物、そして野鳥や動植物の観察など、小さな島ながらも大自然の魅力がふんだんに詰まっている。島には車の持ち込み禁止なので、ぜひ自分で歩いたり、レンタ・サイクルを使ったりして、じっくりとマライア島の魅力を満喫してほしい。

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ⒸTourism Australia

赤い岩と青い海のコントラスト「ベイ・オブ・ファイヤー」

 青い海と白い砂浜の美しい中に、赤い岩のコントラストが独特の迫力を演出するビーチ「ベイ・オブ・ファイヤー」。1973年に国立公園に指定されたマウント・ウィリアム国立公園の南端から南に続く海岸線で、豊かな自然がそのままに残されている。意外かもしれないが、タスマニアに行ったら東海岸のビーチは必見だ。


旅の格言
“自分の目で見て、自分の肌で感じてほしい”
ナビツアー・シドニー 三島知美さん
エアーズロックとアリス・スプリングスにて6年間ツアー催行会社に勤務後、海外にてバックパッカーを3年半。「百聞は一見に如かず」と自身の旅の経験を生かし、国内旅行の相談窓口を担当している。

 

 

四駆で旅する砂漠、塩湖、地下の町 - Traveling around by car -

海抜が低いことによってできたレイク・アイ(ⒸGreg Snell)

 自然と動物とワインをこよなく愛する田中さんから教えてもらったのが、ちょっとワイルドな「四駆で旅する国内旅」だ。アデレードから4泊5日かけて旅をスタート。昔長距離列車のガン号が通っていた旧道を内陸に向かい、ウルキナ・パウンドという5億年前に隆起してできた場所に1泊、翌日は真っ白な塩と青い空が不思議な光景を織り成すレイク・アイという塩湖を経由し、ウーメラの宇宙基地、ウィリアム・クリークで砂漠にポツンと1軒だけあるパブに寄りつつ宿泊。

次の日に地下の街、高級なブラック・オパールの採掘場として知られるクーパー・ビティへと到着する。帰りはスチュアート・ハイウェーを通り、ポート・オーガストで1泊し、アデレードに戻るコースだ。街にたどり着くには長い砂漠道を通っていく。これは人生の中でも忘れがたい経験になることは間違いない。

 

(左)採掘場後が宿泊施設になっているクーパー・ビティの宿

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世界一、水と空気がきれいな「クレイドル・マウンテン」

 山頂には雪が残り、ゴツゴツとした山肌を見せるのが「クレイドル・マウンテン(標高1,541メートル)」だ。タスマニア原生世界遺産地域の一部で、周りには深い森が広がり、鏡のような湖が点在する。写真に写るダブ湖の周辺にはウォーキング・コースもあり、この澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込みながら、タスマニア髄一の絶景を楽しみたい。


 

旅の格言
“自然、動物、そしてワイン!”
トラベル・センター 田中アキさん
オーストラリア在住34年。1995年から旅行のコーディネーターを始め、98年からは「トラベル・センター」をスタート。自ら学生を車で連れ、国内を案内する。

 

 

360度広がる、降ってきそうな星空を - Uluru -

ウルル・カタジュタ国立公園の絶景(ⒸTourism NT)

 ウルルに在住歴がある近藤さんがお薦めするのは、やはりウルル(エアーズ・ロック)。実は中央オーストラリアはマニアの間で星がきれいな場所として知られているという。その理由は①人口と街の明かりが少ないこと、②工場の煙りや車の排気ガスによる空気汚染がほぼないこと、③砂漠気候なので空気中の水蒸気が少なく晴天率が高いことが挙げられる。


ほかにはない大自然の魅力を存分に堪能

月の明かりが邪魔をしない新月の夜、雲が少ない好条件がそろうと、およそ3,000個以上の星を見ることができるそうだ。日本ではなかなか見ることができない南十字星や天の川、隣の銀河である大マゼラン星雲も肉眼で見ることができ、タイミングがよければ流れ星や人工衛星などを見つける人もいるほど。360度見渡す限りの地平線のギリギリまで広がるウルルでの星空体験は一生に一度の忘れられない思い出になるはずだ。

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シドニーで見る、オーストラリアの「BIG5」

 「BIG5」と呼ばれる動物は、コアラ、カンガルー、カノモハシ、エミュー、ウォンバット! シドニーからの半日で参加できるツアーでは、小型ワゴン車でシドニー南の郊外の広大なファームへ。背の高い木々が生い茂るブッシュに入ったり、ウォンバットの穴倉を覗いてみたりと、動物園では体験できない生態観察でき、アドレナリンも全開に。


 

旅の格言
“一生に一度は…って、いつ行くの? 今でしょ!”
AAT Kings 日本部門マネージャー 近藤貴博さん
オーストラリア現地のツアー会社AAT Kings社勤務。茨城県出身。大自然とアボリジニの文化に魅せられ2000年からはウルルに在住06年からは日本部門マネージャーとしてシドニー本社にて勤務。

 


 

シドニーからこの週末に行きたい1泊2日 or 有休を使って2〜3泊のお薦め旅は?


1泊2日で行くならココ!

必ず、絶対、見ておくべき
エアーズロック


定番中の定番だからと、足が遠のいている人こそ1泊でも行ってほしいのがこちら。期待を裏切らない壮大なスケールに、旅のプロ全員一致が「行くべき」と回答した。

●サンライズ、サンセットの絶景は“ズルい”と思うほどの美しさ。完全に心を奪われます(岩坂さん)
●巨大なものを崇拝してしまう人間の原始本能が自分にもあることを実感します(藤野さん)
●赤土の地平線に見える一枚岩。テレビで見るのと実際で見るのでは、全く違います(三島さん)

野生イルカと天然プラネタリウム
ポート・スティーブンス


シドニーから車で2時間30分の所にあるネルソン・ベイを中心とした湾。ペリカンや野鳥が集まり、野生のイルカも見ることができ、オージーのリゾート地としても知られる。

●おすすめはトボガン・ヒル・パーク。なぜか懐かしい昭和の雰囲気が漂う格安の遊園施設。全長1キロの滑り台に子どもは大喜び!(藤野さん)
●バンガローに泊まり砂丘まで歩いて行って見上げた星空が本当にきれいでした! 男同士でビールを飲みながら釣りをするのも最高に楽しいですね(安達さん)

白い砂浜と愛らしい街に
ジャービス・ベイ&ベリーの街


NSW州の南岸にあるジャービス・ベイは、世界一白い砂浜があると言われる隠れ家的なビーチだ。行き、または帰りには小さな街ベリーに立ち寄ってみよう。

●向かう途中の小さな街ベリーにある「Donut Van」のシナモン・シュガーがかかったドーナツ、ふらっと寄ったパブの食事も美味しかったですね。ジャービス・ベイの白い砂浜はずっといても飽きないですね(田中さん)

▼そのほか、ブルー・マウンテンズでの散策やジェノラン・ケーブ(鍾乳洞)探検もお薦めとして挙げられた。日帰り旅としても行けるところに敢えて1泊して、じっくりその魅力を感じてみてはいかがだろう。

 


2泊3日〜3泊4日で行くならココ!

違った文化を思う存分感じる
メルボルン/アデレード


自然もさることながら、世界一住みやすい街に3年連続1位に選ばれているメルボルンやアデレードは外せない。市内の散策にワイナリーなどの郊外散策を。

●建築物やマーケットもあり、違う街文化を感じられます。体と心をリフレッシュさせてみては(岩坂さん)
●グレート・オーシャン・ロードやフィリップ島、ヤラ・バレーのワイナリーなど見所がいっぱいです(三島さん)
●F1や全豪オープン・テニスなど、イベントがたくさんあるので、タイミングを合わせて行くのがお薦めです(安達さん)

感動する美しさの海に出会う
ケアンズ


グレート・バリア・リーフや白い砂浜の小さな島など、透き通る海が魅力の世界屈指のリゾート地。海中には2,000キロにも美しい珊瑚の森が広がる。

●ミコマス・ケイかウポロ・ケイに。CMや雑誌でよく見るような、小さな白い砂の島とエメラルド・ブルーの海は、一見の価値ありです(藤野さん)
●家族や友だちと写真を撮って年賀状にしています(安達さん)
●グレートバリアリーフと熱帯雨林の2つの世界遺産を満喫。ダイビングで未知の世界を覗けます(岩坂さん)

おしゃれな若者と海の街
バイロン・ベイ


オーストラリアで最も東に位置するケープ・バイロンがあり、オーガニック・フードやヨガでも知られるバイロン・ベイ。おしゃれなビーチ・リゾートとして若い人たちに人気の街だ。

●ゴールドコーストから日帰りでも良し、バイロン・ベイに2泊3日でゆっくりと時間を過ごすのもいいと思います(三島さん)

ちょっとだけ旅行気分を味わうなら、オーストラリアのお土産がずらっとそろう「コガルー」へ


■Kogaroo
住所:74 Castlereagh St., Sydney/Tel: (02)8065-3437/Web: www.kogaroo.com.au

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