マタギとして、人として。

女性エディターKの読書日記
冬です。マタギの季節です。
ご無沙汰してしまいました。編集部Kです。


さてさて、今日ご紹介したいのは、04年に山本周五郎賞と直木賞をW受賞した熊谷達也さんの『邂逅の森』、その姉妹編『相剋の森』です。
おなじみチーフD学級文庫から借りてきました。
主に東北地方・北海道で山に入り野生の獣を狩る人たち“マタギ”を描いた作品。
…女子の皆さん、逃げないでください !
主軸は、「邂逅~」は大正を、「相剋~」は現代を舞台に伝統のマタギとして生きる男の物語ですが、自然と人間の「いのち」のやり取りという壮大かつ普遍的なテーマが流れ、心・体・頭の芯からジーンとくるものがあります。
そして、実はどちらもラブストーリーとしても読めるとワタクシ思います。
しかも「相剋~」は、主人公がいろんな現実に打ちのめされる独身女性編集者ってのが、泣けるところ(笑)。
自分のルーツをたどる場面では、私も祖父の代までは分かっても、曽祖父以前となると、どこで何をしていた人なのか知らないし、その人たちがいなかったら自分は存在していないのに、思いを馳せたことすらなかったと気付いて、驚くというかなんだか不思議な気持ちに…。
人間ほど動物を、自然を殺している生き物はいません。
だからこそ、自然やほかの命、もちろん人間同士の関わり方について考えることは人間の義務であり権利なんだと思います。
現代の捕鯨問題にも通じるところがあるかも。
鯨に限らず、命を慈しむ、人間も動物も楽しく暮らせるための自然を守るという目的はみんな一緒のはず。
そのために人間同士が争うのは愚かだし悲しい。
一方で、人間は自分たちが生き残るためにたくさんの命をもらっていて、もらい続けるという事実。
現代の都会で暮らしオシャレなお店でフレンチを堪能しようが、どちらも絶対忘れてはいけない真実、なんですよね。
とにかくこの2冊はまず、自分のことしか考えてない人に読ませたい(笑)。
せっかく人間に生まれてきたんだから、
みんながハッピーになるために、
自分にできることはしなくちゃね。
さらに !
すっかりマタギファン、マタラーとなってマタギ情報を検索していたところ、マタギ3部作完結編として『氷結の森』が刊行されていると判明。
何とか入手したいと思います。
その上「相剋~」で登場したカメラマンの吉本は、著者のデビュー作『ウエンカムイの爪』で主役を務めているようなので、そっちもチェックです。

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