【インタビュー】ラーメン店オーナーへ転身─人気フレンチ・シェフ、犬飼春信氏


フレンチからラーメン店オーナーへ、華麗なる転身を果たす犬飼春信氏

【話題の人】
シドニーを代表する日本人フレンチ・シェフ、犬飼春信氏

チャイナタウンに新ラーメン店
「麺 一究」を立ち上げ

 


フレンチの名店「ガリレオ」で総料理長として活躍後、2008年、ポッツ・ポイントにフレンチ・レストラン「ブランシャル」を立ち上げた犬飼春信氏。オープン当初より地元グルメ誌で高い評価を受け、シドニーの食通の間で支持されてきたが、今年5月、犬飼氏は同店を売却。その後の動向に注目が集まっていたが、何とまったく違う畑であるラーメン店を立ち上げるという。同店オープン直前の準備に追われる犬飼氏にその心のうちを聞いた。

 

───ブランシャルの時代にもランチ・タイムにラーメンを提供していましたが、まさかラーメン店を始めるとは思いもしませんでした。そのお心をお聞かせください。

「シンプルに言うとラーメン作りに興味がわいたからです。ブランシャルでラーメンを出した時に、おかげさまで評判が良く多くの人が足を運んでくれました。多い日には開店からわずか10分で40食完売などという時もありました。その時、ラーメンは人をひきつける魔力を持っているなと感じたんです」

───フレンチとラーメン作りの大きな違いはどこにありますか?

「調理の過程においてはそれほど大きな違いはないです。例えば、一究のチャーシューやメンマには独自の味を染み込ませていますが、これはビーフシチューなどの煮込みで赤ワインを染み込ませる過程とほぼ同じです。ただ、ラーメンはパスタのように塩、コショウ、香草などで味を調整して仕上げるといったようなことが基本的にできないのが難しいですね。ブランシャルでも約3カ月かけてラーメンを開発したのですが、素材をどう合わせれば美味しくなるかは分かっても、全体のバランス調整が本当に難しい。麺、スープ、具、すべてが三位一体にならないとラーメンは完成しないんですよね」

───なるほど。そんな苦労を重ねた結果、出来上がった一究のラーメンの特徴を教えてください。

「僕のラーメンは鉄人の陳建一さんに教えていただいた白パイタン湯スープをベースに、鶏、豚、香味野菜など天然の素材をじっくり煮込んだ、素材本来の自然の味を大事にしています。かえしも麺も自家製で、味付けも天然塩を使うなどすべてにこだわっており、もちろん、化学調味料は一切使ってません。また、お客様が食べ始めるタイミングなども計算し、一番ベストの状態で提供します。ラーメン屋としては新人なので、挑戦者としてがんばっていきたいと思っています」

(6月26日、シドニー・サセックス・センターで)

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