
イタリア料理の達人が、
家庭で楽しめる本格イタリア料理のレシピをご紹介。
ローマ地方の定番パスタとして日本でも人気の高いカルボナーラ。日本では材料に生クリームやベーコン、スパゲッティーが使われることが多いのですが、イタリアではブカティーニというパスタで作ります。今回は本場の味をそのまま再現できるレシピをご紹介します。

■材料(2人分)
グアンチャーレ(豚ほほ肉の塩漬け) | 100g |
ペコリーノ・ロマーノ(羊のチーズ) | 50g |
ブカティーニ(Bucatini No.15) | 2人分 |
卵黄 | 4個分 |
ニンニク | 2片 |
バター | 20g |
(もしくはオリーブ・オイル 20~30cc) | |
チキン・ストック | 1個 |
黒コショウ | 適量 |
■作り方


① パスタ用の鍋に、塩を3%ほど入れて湯を沸かす。
② グアンチャーレを厚めの細切りにする。ニンニクはつぶし、芯は取り除く。
③ 別の鍋にオイルを敷き、ニンニクを焦がさないように弱火で炒めて香りを出しつつ、グアンチャーレの脂身だけを加える。香りが出たらニンニクだけ取り出す。
④ 脂身から脂が出て透明になってきたら残りの赤身肉を入れ、弱火でカリカリになるまで炒める。
⑤ パスタ(ブカティーニ)をゆで始める。その間、コショウを挽き、チーズをおろす。卵を卵黄と卵白に分ける。
⑥ 卵黄を下ろしたチーズと合わせる。
⑦ パスタがアルデンテにゆで上がったら、お湯を少量残してパスタを取り出し、④の鍋に入れる。そこへお玉で約2杯分のお湯と、チキン・ストックを加え、強火でかき混ぜる。
⑧ バターもしくはオリーブ・オイルを投入し、火を消す。
⑨ ⑥の卵とチーズを投入し、水(大さじ2杯程度)を加える。よく混ぜた後に水っぽいと感じたら、ごく弱火で更にかき回し、なめらかなソース状にする。
⑩ 皿に盛り付け、コショウをたっぷり振りかけたら出来上がり。
■食材選び&調理ワンポイント・アドバイス

◎ 中心が空洞の太麺「ブカティーニ」は濃厚なカルボナーラ・ソースと相性抜群なパスタで、ローマ周辺ではよく使われています。見つからなければ「スパゲトーニ」「リガトーニ」などできるだけ太いパスタを選んでください。
◎ チーズはパルメザンを使うレシピが一般的ですが、本場の味を再現するならローマで一般的な羊のチーズ「ペコリーノ・ロマーノ」を。
◎ 肉もベーコンでなく豚ほほ肉「グアンチャーレ」を使うのがローマ流。脂身を最初にしっかり炒めることで濃厚なうまみが引き出せます。厚切りにして食感を味わいましょう。
◎ 手順⑨では凝固を防ぐためにお湯ではなく水を使います。
◎ 「粗挽きの黒コショウ」は「カルボナーラ」の語源。たっぷりかけて頂くと卵の甘みが引き立ちます。

伊藤尚文シェフ
NZの5つ星ホテルで主にワイン・サービスを担当後、2000年よりイタリアで4年間、著名レストランやグランド・ホテルで経験を積む。03年アメリカズ・カップ(NZ)でプラダ・ヨット・チームの専属シェフ。07年に東京・赤坂で「グストエヴィーノ」開業、約6年半に渡りイタリア料理を基本にした独自のガストロノミーを創造。15年に来豪し、メルボルンを中心にケータリング・シェフとして活躍中(Web: www.gvcatering.com)。各種パーティー対応可。