多国籍なオーストラリアの簡単で美味しいレシピを紹介。
さっぱり美味しい、本格的なパッタイに挑戦
(文・写真=ランス陽子)
タイの焼きそば、パッタイ。オーストラリアでは本格的な材料が手軽に入手できる
美味しいタイ料理店が多いオーストラリアでは、普通のスーパーマーケットでも本格的なタイ食材を気軽に購入できることが多い。タイの代表的な麺料理、パッタイ(Pad Thai)作りに欠かせない太く平たいライス・ヌードルも、日本では専門店などに行かなければなかなか手に入りにくいのに対し、ここではほとんどのスーパーマーケットで購入できるようだ。
パッタイ・ソースと書かれたお手軽なソースも売られているが、本格的なパッタイに使用する「タマリンド・ソース」も棚に並んでいることが多い。タマリンドとは、梅干しと柿を合わせたような甘酸っぱい味がするタマリンドの果実のこと。ペーストやピューレ、ソースとしてビン詰めで売られている。パッタイのコクと酸味は、このタマリンドの風味がベースになっている。
今回の先生は、以前もレシピを教えてくれたタイ出身のジラスーダさん。ゴールドコーストの有名タイ料理店でウェイトレスとして長く働き、美味しいタイ料理を知りつくしているジラスーダさんが、本場のレシピを教えてくれた。「ライス・ヌードルは、あとで火を入れることも考えて、柔らかくなりすぎないように下準備するのがコツです。今回のレシピでは鶏肉を使いましたが、ゆでたむきエビを使うのもお勧めです。また、辛味が好きな人は、好みで生の唐辛子を刻んで入れてください」
コショウは黒コショウでなく、日本でもお馴染みの白コショウがあればそちらの方が良いとのこと。「コリアンダー(パクチー)の葉も、好きな人はたっぷり乗せてください。コリアンダーの香りが苦手な人は、使わなくても大丈夫ですよ」と言う。また、どうしてもタマリンド・ソースが手に入らない場合は、普通のワイン・ビネガーで代用もできる。「パッタイは塩味と甘み、酸味がバランス良く混ざり合っている料理です。最後にライムを絞って食べます」。もちろん、ライムがなければレモンでも良いとのこと。「タイではこのほかに、タイの固い豆腐やタクアンのような食材を入れることが多いのですが、オーストラリアのタイ料理店ではあまり使われていないようです」
タマリンドの爽やかな香りとコクがたまらない、本格的なパッタイ。ぜひチャレンジしてみよう。
自分で作ってみよう!
(4人分)
ライス・ヌードル | 1パック |
無塩ロースト・ピーナッツ(ビニール袋に入れ麺棒などで砕く) | 大さじ4 |
卵 | 2個 |
ニンニク(みじん切り) | 3片 |
鶏むね肉(1センチ幅に切る) | 2枚 |
ネギ(スプリング・オニオンまたはシャロット)の青い部分(4センチに細切り) | 8本 |
もやし | 120g |
タマリンド・ソース | 大さじ4 |
砂糖 | 大さじ3 |
フィッシュ・ソース(ナンプラー) | 小さじ4 |
コショウ | 少々 |
ライム | 1/2個 |
コリアンダー(パクチー)の葉、生の唐辛子(好みで) | 少々 |
作り方
①ライス・ヌードルは袋に書かれた方法で柔らかくしておき、水気を切る。
②フライパンにピーナッツを入れて温め、軽く炒って取り出す。同じフライパンで卵をスクランブル・エッグのように炒め、別の皿に取り出しておく。
③フライパンに油とニンニクを入れてサッと香りを出したら、鶏肉を入れ強火で炒める。
④鶏肉に火が通ったら、ライス・ヌードルを加え軽く炒める。タマリンド・ソース、砂糖、フィッシュ・ソース、コショウを加えて混ぜる。刻んだ唐辛子を入れる。
⑤もやし、ネギ、炒めておいた卵を加え、しんなりしたら皿に盛りつける。ピーナッツを振りかけ、ライムをくし型に4等分し添える。コリアンダーの葉を乗せて完成。

ジラスーダさん
タイ出身。20代のころはタイ料理店のウェイトレスとして働いていた。幼いころはタイのTVでよくドラえもんや忍者ハットリくんを見ていたという日本びいきの主婦。ほかにもレシピ紹介あり(Web: nichigopress.jp/gourmet/takokuseki/87894)