オーストラリアで最も「高い」ワイン産地オレンジ

幸せワイン・ガイド@オーストラリア
オーストラリアで最も「高い」ワイン産地オレンジ

 新年明けましておめでとうございます。本当にいろいろなことがあった2020年がようやく終わり、また新たな年の始まりですね。これを書いている今日は11月末、数週間ごとに状況が変わるため、ただただ状況が良くなっていきますように、より多くの方々が笑顔で新年を迎えていられますようにと、祈るばかりです。2021年が皆様にとってすばらしい1年になりますように。

 さて、COVID-19の影響で、海外旅行はもちろんのこと、州境がクローズしている間は国内旅行もままならない時期が続きました。その影響で、州内の近場で休暇を過ごした方も多くいらっしゃると思います。ワイン産地もその例外ではなく、シドニーから近いハンター・ヴァレーでは飽き足らず、新たなワイン産地を求めてオレンジやマジーなど、他のNSW州のワイン産地を訪れる人びとが急増していた模様です。今月は、そのオレンジの話をしようと思います。

オーストラリアで1番「高い」産地オレンジ

 オレンジはシドニーから西に254km、車でおよそ3時間ほどのところにあります。オレンジの最大の特徴は海抜863メートルと、オーストラリアで最も標高の高いワイン産地であること。その冷涼な気候を生かしたワイン造りが行われています。ちなみにオーストラリアで標高が海抜600メートル以上のワイン産地は全体のわずか1%以下となっています。

歴史

 オレンジの農業は、もともとリンゴやチェリーなどの果物の産地として発展しました。それもあってか、リンゴを使ったお酒、サイダー(シードルとも呼ばれる)の産地としても知られています。オレンジという名前の地で、オレンジ以外の果物の生産品が有名になっている、と言うのもちょっと面白いですが、もともとオレンジという地名は英国のオレンジ公ウィリアムと言う王子に因んで付けられたという説が有力だそうで、果物のオレンジとは関連性がないようです。

 この地域にブドウが最初に植えられたのは1920年代ですが、ワイン産地として注目を集め始めたのは、80年代、ずっと後のことになります。更にワイン産地として地理的名称が正式に登録されたのは96年で、オーストラリアの中では比較的「新しい」ワイン産地に入ります。生産されているワインはさまざまで、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、シラーズが全体の約半分を占め、他にソーヴィニヨン・ブランやピノ・ノワール、更にはプロセッコやネッビオーロ、テンプラニーリョといったイタリアやスペイン産の品種も注目を集めています。冷涼な産地ですのでワインのスタイルは全体的にエレガント、同じNSW州産のワインでも、ハンターなどの温暖な気候のものに比べ軽やかな印象のものが多くみられます。

オレンジ産?オレンジ・ワイン?

 ところで、ワインにお詳しい方ならば、「オレンジ」「ワイン」と聞いて思い浮かぶのが、最近話題の「オレンジ・ワイン」ではないでしょうか。白ワイン用の白ブドウ品種を使い、赤ワインを造る時のように果皮を果汁に接触させて発酵することにより、通常の白ワインよりも濃厚なオレンジ色になったワインのスタイルを通称「オレンジ・ワイン」と呼びますが、これは産地としてのオレンジとは全く別物です。「オレンジ」というワイン産地を持つオーストラリアは、オレンジ産ではないワインには、「オレンジ」というラベル表記を基本的に認めていません(オレンジ色をした、といった明確な説明があった場合や、条件によっては認められることもあるようです)。そのためラベル表記として「オレンジ・ワイン」に代わる名称としては「アンバー・ワイン」「スキン・コンタクト・ホワイト」と言った言葉が使われています。産地としてのオレンジと、スタイルとしてのオレンジ・ワイン、お間違えのないようにご注意くださいね。

(左)伝統製法のスパークリングPhilip Shaw Edinburgh Sparkling NV $40 Web: www.philipshaw.com.au(中)オレンジ産の”オレンジ・ワイン” Swinging Bridge #003 Amber $29 Web: www.swingingbridge.com.au(右)珍しいテンプラニーリョとピノのブレンド Swinging Bridge #006 Tempinot $35 Web: www.swingingbridge.com.au
(左)伝統製法のスパークリングPhilip Shaw Edinburgh Sparkling NV $40 Web: www.philipshaw.com.au(中)オレンジ産の”オレンジ・ワイン” Swinging Bridge #003 Amber $29 Web: www.swingingbridge.com.au(右)珍しいテンプラニーリョとピノのブレンド Swinging Bridge #006 Tempinot $35 Web: www.swingingbridge.com.au

このコラムの著者

フロスト結子

フロスト結子

オーストラリアと日本でワイン業界に携わり10年以上。ワイン卸業社に勤務しながらフリーランスでもワイン専門通訳、翻訳、ライター、市場調査、イベントなど幅広くこなす。私生活ではマラソン・ランナー。世界最大のワイン教育機関WSETの最上位資格、WSET®︎Diploma in Wine & Spirits及び日本酒のAdvanced Certificateを取得。 Web: auswines.blog.jp

 Happy Rich Harding legal 幌北学園 Japanaroo  kidsphoto
日豪プレス 配布場所   日豪プレス 新刊発行    Oishii Japanese Restaurant Guide Covid-19 最新情報

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL


新着イベント情報

新着イベントをもっと見る