Obsessive Compulsive Disorder(OCD):強迫性障害

セレブに見る心の病
(Photo: Paulblank)

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セレブに見る心の病 ケース・ファイル

 

セレブ・ゴシップなどでは目にするものの、直接自分には関係ないとついつい無関心になりがちな心の病のこと。中身をひも解いてみれば、意外と身近な存在である可能性も。心身ともにより快適な毎日を送るため、その症状や対処法を正しく紹介する。

サッカー、イングランド、と言えばデビッド・ベッカム。強迫性障害をカミング・アウトした時に、物がまっすぐでないとダメ、冷蔵庫の中のものは偶数でそろえて完全に左右対称にしていると打ち明けました。そういえば、髪型も見事に左右対称ですね !

Obsessive Compulsive Disorder(OCD):強迫性障害

不安を取り除くための行動を安心できるまで取り続けてしまう

デビッドが描写しているのは、強迫性障害の症状の1つである「不完全恐怖」です。ほかの典型的な例として、不潔なものに対する極端な嫌悪感、何かをする時の手順や儀式へのこだわりがあります。また、外出した後に何度も家に戻って戸締りを確認するなどの「確認行為」もあります。

この病気で苦しんでいる人は、自分で普通じゃないと分かっていながら、強い恐怖や執着に苦しめられて、その不安を取り除くための行動を安心できるまで取り続けてしまいます。けれどもそれ以外は、正常な人と全く同じです。原因はまだ解明されていませんが、脳の一部の糖代謝やセロトニンなどの神経伝達物質に関連する機能の異常が大きく影響していると考えられています。

強迫観念に慣れて支配力を弱める

治療として有効なのは、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの薬物療法と、行動療法の組み合わせです。目標は、日常生活にあまり支障が出ないように、強迫観念に慣れて支配力を弱めることです。

デビッドの場合、チームメートが面白がって彼の部屋を散らかすことがあったそうですが、これは図らずも暴露療法として、苦手な状況に徐々に慣らすことで症状を克服する一助になったかもしれません。周囲のフレンドリーなサポートもプラスなので、むしろカミング・アウトしてしまった方が気が楽になるかもしれません。

デビッドも、幾何学的な動きで正確なパスを出したりと、几帳面で完璧主義の性格を生かしたスタイルのプレーをしています。自分の指向を無理矢理なくすのではなく、味方に付けることができればいいですね。


セレブに見る心の病

 
馬場佐英美(ばばさえみ)
Town Hall Clinic

プロフィル◎国際基督教大学教養学部卒。Australian College of Applied Psychologyで心理カウンセラーの資格を取得。NSW州カウンセラー&サイコセラピスト協会臨床会(CAPANSW)、オーストラリア・サイコセラピー&カウンセリング連盟会員(PACFA)。シドニー市内でさまざまな心の悩みの相談に応じている。

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