Domestic Violence:家庭内暴力

セレブに見る心の病
(Photo: Michel Boutefeu)

心理カウンセラーのさえみ先生が
ストレス・フリーな暮らしをサポート

セレブに見る心の病 ケース・ファイル

 

セレブ・ゴシップなどでは目にするものの、直接自分には関係ないとついつい無関心になりがちな心の病のこと。中身をひも解いてみれば、意外と身近な存在である可能性も。心身ともにより快適な毎日を送るため、その症状や対処法を正しく紹介する。

子ども時代に家庭内暴力のトラウマを経験した米国女優のハル・ベリー。現在は家庭内暴力の被害者を積極的に支援し、昨年はロサンゼルスにある被害者のためのシェルターを改修しました。

Domestic Violence:家庭内暴力

サイクルを繰り返しながら、次第にエスカレート

家庭内で、些細なこと、時には理由もなしに突然始まる暴力は、家の中を荒涼とさせます。配偶者や恋人による暴力、親、子ども、兄弟姉妹などの身内による暴力はすべて家庭内暴力であり、犯罪になります。ここでは、配偶者や恋人からの暴力を念頭に置いてお話します。

加害者は「内の顔」と「外の顔」を持ち、外では「良い人」と思われていることも少なくありません。暴力は、身体的・性的なものに加えて、人格否定、極端な束縛といったさまざまな形をとります。

被害者は、暗澹(あんたん)とした思いで次の爆発に怯えながら、腫れ物に触るように加害者に接します。暴力に至った後、多くの場合、加害者の態度は一変し、時には涙を流しながら許しを請い、仮の平和が訪れます。けれどもそれも長くは続かず、また暴力を振るうというサイクルを繰り返しながら、次第にエスカレートしていきます。

加害者は暴力を振るう自分を嫌悪する一方で、暴力を振るうように仕向けているのは「配偶者」であり「周囲の人間」なのだと、他者を責める悪循環を繰り返します。その根底には、客観的な事実はともかく、「これまでの人生は惨憺(さんたん)たるものだった」という強い思いがあります。

対応の基本は「暴力の拒否」

家庭内暴力への対応の基本は「暴力の拒否」です。気がすめば収まると考えて暴力に甘んじるのは、暴力を助長する危険な挑発になりかねません。ハルがシェルターの後押しをしているのは、物理的に避難することが暴力を拒否する有効な手段だからです。1人では決して解決できない問題なので、被害を受けている人は勇気を出して、信頼できる人に打ち明けるか、ホットラインに電話してください。

 

■オーストラリア全国DVホットライン
Tel: 1800-200-526(日本語通訳のリクエスト可)


セレブに見る心の病

 
馬場佐英美(ばばさえみ)
Town Hall Clinic

プロフィル◎国際基督教大学教養学部卒。Australian College of Applied Psychologyで心理カウンセラーの資格を取得。NSW州カウンセラー&サイコセラピスト協会臨床会(CAPANSW)、オーストラリア・サイコセラピー&カウンセリング連盟会員(PACFA)。シドニー市内でさまざまな心の悩みの相談に応じている。

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