Borderline Personality Disorder:境界性パーソナリティー障害

セレブに見る心の病
(Photo: Eric Weiss)

心理カウンセラーのさえみ先生が
ストレス・フリーな暮らしをサポート

セレブに見る心の病 ケース・ファイル

 

セレブ・ゴシップなどでは目にするものの、直接自分には関係ないとついつい無関心になりがちな心の病のこと。中身をひも解いてみれば、意外と身近な存在である可能性も。心身ともにより快適な毎日を送るため、その症状や対処法を正しく紹介する。

ウィノナ・ライダーは10代のころに境界性パーソナリティー障害で入院していました。その影響もあって、この障害を題材にしたノンフィクション小説『17歳のカルテ』を読んだ時に心を動かされ、映画化する権利を買い取って主演を務めました。

Borderline Personality Disorder:境界性パーソナリティー障害

見捨てられる不安を常に抱えている

境界性パーソナリティー障害とは、統合失調症と、それよりも軽症の神経症の境界であることに由来します。この障害の大きな特徴は、人に見捨てられる不安を常に抱えていることです。そのような不安は誰でも多かれ少なかれ持っていますが、この病気の人は、赤ちゃんが姿の見えない母親を求めて必死に泣き叫んでいるような状態に陥ります。そして、その恐ろしさを回避するために、時には異常とも言えるほどの努力をします。

見捨てられたくないので、ひたすら良い子でいないといけないと思い、その“良い子”の基準から外れた言動をとってしまった時には、すべて他人のせいにしたり、忘れてしまったりします。リスト・カットなどの自傷行為やムチャ食い、自殺をすると言って他人を脅かすなどの衝動的な行動も見られるのですが、これは「見捨てないで」という叫びです。また依存心が強いので、優しい人や、助けてくれそうな他者をすぐに理想化します。しかし、少しでも期待を裏切られると一転してこき下ろします。不安に翻弄されて、他者に対する評価も含めて、いろいろな面で不安定になります。

安心して成長するプロセスを妨げられた結果

『17歳のカルテ』の英題が『Girl, Interrupted』というように、子どもが安心して成長しながら自己を形成するプロセスを“妨げられて”、青年期に症状が顕著に出てしまうこの病気。原作者が選んだこの英題はそれを端的に言い表しています。

幼少期の虐待や極端な過保護などの環境要因と、遺伝的要因が発症の原因に関与すると考えられています。この病気では、本人は自分自身を理解できずに苦しみ、家族や周囲もそれに振り回されて疲労困こんぱい憊します。治療は長期の精神療法を柱に、必要に応じては薬物療法を専門機関で受けることをお勧めします。


セレブに見る心の病

 
馬場佐英美(ばばさえみ)
Town Hall Clinic

プロフィル◎国際基督教大学教養学部卒。Australian College of Applied Psychologyで心理カウンセラーの資格を取得。NSW州カウンセラー&サイコセラピスト協会臨床会(CAPANSW)、オーストラリア・サイコセラピー&カウンセリング連盟会員(PACFA)。シドニー市内でさまざまな心の悩みの相談に応じている。

新着記事

新着記事をもっと見る

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る