高血圧に関して

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Q:  最近、ヘルス・チェックで医者に行った際、高血圧なので薬を飲み始めるように言われました。両親(既に死亡─父は肺がん、母は心臓発作)ともに高血圧で薬を飲んでいましたし、姉も高血圧で薬を飲んでいます。
私も高血圧になる可能性が高いと思い、塩分の摂取など食事には気を付けていましたが、これからどういうことに注意しなければいけませんか? 薬を飲む以外に治療方法はありませんか?

(50歳銀行員=女性)

A:

なぜ高血圧は治療しなければならないのか

長年高血圧が続いていると動脈硬化が起こり、あらゆる臓器に影響を及ぼします。特に心臓( 狭心症や心筋梗塞)、脳( 脳出血、脳血栓)と腎臓( 機能低下)が主な問題となる臓器です。

血圧をコントロールすることによってこれらの病気の発生を防ぐことができます。 高血圧症は通常自覚症状がありません。ですから薬の服用を忘れる人も多いわけですが、治療を続けることは非常に大切なことです。

そのほかの危険因子の考慮

高血圧以外に動脈硬化に貢献する危険因子はいくつかあります。

 

・喫煙
・高脂血症(コレステロール、中性脂肪)
・運動不足
・糖尿病

高血圧以外の危険因子が1つ、あるいは2つあることによって心臓病の発生率は2倍、3倍と比例して上がるのではなく、指数増殖します。ですから高血圧が診断された時には、そのほかの危険因子を持っていないかを調べておくことが大切です。

特にたばこは吸っていても何もメリットはありませんので、高血圧や高脂血症の問題がなくても止めることを強くお勧めします。

高血圧の治療

血圧がそれほど高くなく(140/90前後)、末端臓器(心臓、脳、腎臓、眼)への影響もまだ見られない場合はすぐに薬で治療をする必要はありません。

まずは肥満気味でしたら体重を落とし、喫煙者はたばこを止め、塩分の摂取を控えめにしてみてください。

運動をしない人は少しずつ始めてください。散歩、軽いジョギング、水泳、縄跳びなどが適切です。徐々に運動量を増やし、週に2〜3回はするようにしてください。

塩分は普通の人は毎日15グラム摂っています。それを25〜50%減らせば最大血圧は5〜10mmHg下がります。

飲酒量も多いと(1日にビール、ワイン、ウイスキーなどをグラス3杯以上飲んでいる場合)、血圧が高くなりがちです。お酒を多く飲む人はせいぜい1日にグラス1杯程度に減らすべきです。

始めから境界線よりも高い血圧であったり、体重、塩分、飲酒量などに注意を払っても血圧が下がらない場合は、降圧剤を使用します。降圧剤にはいろいろな種類があり、それぞれに利点と欠点があります。患者の状況をよく判断し、一番適切であると思われる薬を医師が処方します。

血圧のコントロールが得られるまでは週に1度ぐらいは通院し、薬の量を調整しなければならないでしょう。その間に副作用が生じれば必ず医師に伝えてください。血圧が安定すれば数カ月に1回程度の通院ですみます。

オーストラリアではほとんどの降圧剤は毎回6カ月分の処方ができます。大事なことは薬が切れてしまう前に次の処方箋をもらうことです。降圧剤は何かの理由で血圧が下がらない限りは( 例えば体重を落とすことに成功したとか)、一生続けなければなりません。

 


 

何でも相談

 

鳥居 泰宏(とりい やすひろ)
ノースブリッジ・ファミリー・クリニック

 

 メルボルン大学医学部卒。日本人在住者の多いシドニー北部ノースブリッジで一般開業医を始めて19年。穏やかな語り口が印象的な優しい先生として知られる

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