プレ・リハビリテーション1 -術前コンディショニング-

フィジオ セラピスト に聞こう

体の痛み改善法


第32回:プレ・リハビリテーション1 -術前コンディショニング-


▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう !

 

プレ・リハビリテーションという言葉をご存知でしょうか。日本では術前リハビリ・コンディショニングと呼ばれることもあります。プレ・リハビリには、手術を予定している患者さんに手術前からある程度トレーニングを行い、術後スムーズにリハビリが行えるよう、患部および体全体の筋力を高めておくことで術後の回復を早めるがあります。

特に日常的に運動を行っていない人は、体力が低下していることが考えられますので、術前リハビリが効果的です。

米国では手術を待っている間プレ・リハビリに取り組んだ患者さんの中に手術が必要なくなった人もいるとの報告があり、その有効性に注目が集まっています。

読者のみなさんの中には、手術を予定されている人もいらっしゃるかもしれませんね。例えば、ヒザ関節内視鏡手術や全人工膝関節置換術など、脚部の手術にはプレ・リハビリが術後の回復に大きな影響を与えると言われています。ほかにも、長いブランクの後に運動を始めようとしている人は、ケガ予防のためにもプレ・リハビリを行なうと良いでしょう。

手術の予定がある場合

加齢とともに関節の軟骨が摩耗し、痛みが出るようになります。そうすると、運動量も落ち、体を支えている筋肉も弱くなります。

筋力が弱まることでさらに関節への負担が大きくなり、軟骨が摩耗するという悪循環が起こり、いつも痛みに悩まされる、という状況になります。そうなると、摩耗しきった膝関節、あるいは股関節を人工関節に入れ替える手術を決意される人もいるでしょう。

フィジオセラピーが行うプレ・リハビリでは術前の痛みの緩和治療と並行して、手術に備え筋肉を鍛え、関節可動域を改善させる運動療法に取り組みます。術前にできるだけ筋力および体力を強化することで術後のリハビリ効果をより高め、早期回復につなげます。プレ・リハビリは手術が決まり次第、できるだけ早く開始するのが理想的です。室内用自転車を使用すると効果的にプレ・リハビリが可能です。目安として6〜12週前には開始する必要があります。

プレ・リハビリ、術後リハビリが十分でないと、せっかくの人工関節入替術で痛みから解放されても、筋力不足で思うように体が動かせない場合もあります。ご自身のクオリティー・オブ・ライフを高め、「やりたいことができる体」を維持するためにもプレ・リハビリテーションにぜひ取り組んでください。


 

奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)

シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
www.metrophysiotherapy.com.au

 

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