心と体の疲労回復

 

第15回 心と体の疲労回復

近年、地球規模で寒暖の差が大きくなっています。環境的にも心理的にもストレスの多い現代社会、できるだけうまく体調をコントロールしたいものです。

今でこそメンタル・ヘルスは、注目されていますが、西洋医学では20世紀初めまで心の問題を医学では扱わず、宗教的な問題としてきました。そのため精神医学といっても、あくまで脳の故障として扱われていました。心理療法に至っては、まさに際物扱いをされていたわけです。これを心身二元論と言い、西欧哲学の基本ともなっていきました。

一方、アジアにおける心身論は、そこまで厳しく区分けをしなかったため、その医学は、近代に西欧思想が輸入されると何か曖昧でいい加減なものという印象を持たれてしまいました。因果関係を重視する西欧医学に対し、共時的なアジア伝統医学という言い方もできると思います。

東洋医療の特徴として、身体から心の問題にある程度自由にアプローチできるという立場をとっています。現代医療が苦手としている心身相関疾患など、総合的な観点からの治療に効果を発揮することができるわけです。

そこで、今回は心と体の疲労回復のツボをご紹介します。人間の内臓である五臓六腑には、生理機能とともに心理作用もあるとされています。臓腑には、生命エネルギー(気)とともに心的エネルギー(魂)も内包されており、精神活動の根元として働きます。したがって個人の心身の変調は、五蔵の働きのアンバランスとしてとらえることが可能です。

まず、先天の気の場である腎兪(じんゆ)、志室を交互に入念に押圧します。次に肩から上の気の流れを調整するため、肩井(けんせい)、風池を取ります。

臓腑機能の調整に、上から膻中(だんちゅう)、中脘(ちゅうかん)、関元(かんげん)を順番に呼吸に合わせて指の腹でゆっくりと押します。最後に足裏面の裏内庭、足心、失眠をひじ先で強めに押圧し、脚の疲れを取るようにします。

腎兪:肋骨下端の線と腰椎(ようつい)の交点から外側2横指
志室:腎兪の外側2横指
肩井:肩甲上部、乳頭の直上。按じると丸硬いものに触れる
風池:後頚部、後頭骨にある乳様突起の下方の髪際部、下際の窪み
膻中:胸骨の中心、両乳頭の間
中脘:へその上5横指
関元:へその下4横指
裏内庭:足底面、第1趾(親指)と第2趾(人差指)の間
足心:足底部の中央
失眠:足底部、踵骨(しょうこつ)の中央

印藤裕雄(いんどうひろお)
1991年北里研究所付属東洋医学総合研究所および間中病院東洋医学科を経て開業。2004-08年メルボルンの国立モナシュ大学日本研究センター客員研究員(伝統医療の研究および技術指導)。森ノ宮医療大学講師(東洋医学)。09年茨城県土浦市に、新しい時代ニーズに合った総合的東洋医療を目指し、東洋医療センターを開業。11年から東京での診療活動も開始。日本統合医療学会評議員、全日本鍼灸学会会員など。著書『癒しの芸術と科学‐身体・心・魂の調和』三恵社、『潜在能力の科学』など。コラム・診療についての質問は、facebook:hiroo.indo@facebook.comまたはwww.facebook.com/CentreForEasternMedicineJapanまで。

 

 幌北学園 blancpa Travellers Medical Service novel-coronavirus nichigowine 

新着記事

新着記事をもっと見る

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る