始めよう!母乳育児

働くママの妊娠・出産・育児奮闘記

BreastFeeding

始めよう!母乳育児

 母乳栄養の素晴らしさについてはメディアでも多く取り上げられるようになりました。例えば、赤ちゃんの免疫力を高めるため病気になりにくい、将来肥満や糖尿病になりにくい、脳や骨の発達に非常に効果がある、お母さんに対しては産後の肥立ちをよくする、乳ガンや卵巣ガンになる危険を軽減できる、そして経済的である…などなど。
 しかし、何より私が強調したいのは、母乳育児が母子関係の構築にひと役買っているということです。
 昨今、ネグレクトを含めた乳幼児虐待は、大きな社会問題として連日新聞で大きく取り上げられています。このような不幸な事態に陥る親子、特に母子関係の背景にある問題は多種多様であり、ひとくくりにはできません。例えば、母親自身の育った家庭環境(特に自身の母親との関係)、経済状態、健康問題、パートナーとの関係、学歴などが考えられますし、またそれらの因子が絡み合っていることもあります。
 しかし、多くの研究から明らかになって来ていることもあります。それは、母子関係の構築を円滑にさせるには、分娩後早期からの母子相互作用(母子の触れ合い)が非常に重要だということです。つまり、分娩直後から母子を別々に隔離せず、一緒に過ごさせるという考え方です。この分娩後早期からの「母子の触れ合い」が、その後の母親の育児態度に少なからず関わりを持っているという研究もなされていて、早期から長時間の触れ合いがあった母親は、その後に養育障害(捨て子、虐待、子どもの発育障害、里子)になる率が少ないという結果を出している研究もあります。
 そして、分娩直後なるべく早い時期(約1時間以内)に母乳栄養を開始することが母乳育児、母子関係の確立に大きな役割を担っているということです。分娩直後の赤ちゃんは覚醒しており、授乳に非常に適していて、母乳育児が確立しやすいと言われています。この授乳行為こそ、「母子の触れ合い」が円滑に行えるいろいろな要素を含んでいるのです。
 まず、母子の肌と肌の触れ合い(触覚)。そして、赤ちゃんはお母さんの匂いや体温を感じることができます(嗅覚)。さらに視覚によってお互いを確かめ合い、お互いの声を聞き一体感を感じ取ることができるのです(視覚)。
 赤ちゃんの吸てつ反射(口に入ってきたものを強く吸う反射)により、母親の脳からは「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。このホルモンは別名「愛情ホルモン」とも呼ばれ、お母さんが赤ちゃんを「愛おしい」と思えるように働きかける役割も果たしてくれているのです。
 このように分娩後の早期からの授乳行為は、母乳育児、母子の触れ合いの確立を助け、また乳幼児虐待を減らす一要因になりうる可能性を秘めているのです。
 さあ、皆さん。生まれてくる我が子に、お乳をあげてみませんか ?


働くママの妊娠・出産・育児奮闘記

スケッティーノ潤子
(すけってぃーのじゅんこ)
プロフィル◎ウロンゴン病院勤務助産師。日本の公立病院で助産師として20年間勤務後、2005年に来豪。国際認定ラクテーション・コンサルタントIBCLC(母乳育児のスペシャリスト)

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