搾乳とその保存法について

BreastFeeding

搾乳とその保存法について

今回は母乳育児での、搾乳とその保存方法についてお話したいと思います。

直接に母乳をあげることが、お母さんと赤ちゃんにとって一番であることは言うまでもありませんが、いろいろな場面で、搾乳をした母乳を赤ちゃんにあげなくてはいけないこともあります。

例えば、赤ちゃんが未熟児や病気でうまく直接授乳ができない時、乳首の裂傷がひどく一時的に授乳ができない時、母乳の量を増やしたい時、お母さんが職場復帰すると決めた時、乳房の緊満がひどい時、そしてお母さんの外出で一時的に直接授乳ができない時などです。

搾乳には手で搾乳する方法以外に、器具を使って搾乳することもできますが、始めに手で搾乳する時の手順と注意点をお話します。

まず、搾乳前に手は石鹸できれいに洗いましょう。そして、乳房を基底部から乳頭に向かって優しくマッサージしてください。搾乳を保管したい場合には消毒した、広口のボールなどを用意しましょう。

 

 ① 親指と人差し指を乳輪の端に位置するように置き、胸(肋骨)の方向にゆっくり押します。
 ② このまま、ゆっくり両方の指を圧搾します。この時痛みがないようにゆっくり行いましょう。
 ③ この方法で角度を変えて(位置をずらし)、同じように圧搾していきます。
 ④ 片方だいたい20〜30分かけて搾乳し、もう一方の乳房も同様に搾乳します。

初めはほんの少ししか搾乳できないかもしれませんが心配はいりません。慣れてくると、1度に多くの量を搾乳することができるようになります。

次に、器具(「HAND PUMP」または「ELECTRIC PUMP」)を使っての搾乳についてお話します。

 

 ① 手による搾乳を少し行い、お乳の流れを良くしておくといいでしょう。
 ② 吸引カップが乳頭をしっかり覆うように装着します。
 ③ 吸引力、速度とも緩やかに設定しましょう。
 ④ 片方約5分ずつ交互に搾乳し計20〜30分ほどとします。
 ⑤ 母乳量を増やす目的で搾乳器を使用する場合は3〜4時間ごとに搾乳するといいでしょう。

電動の搾乳器をレンタルしてくれる薬局もあります。搾乳は清潔でふたのある小瓶や搾乳用ビニール袋(市販)に入れて保存します。母乳の保存については、「ABA・NHMRC(National Health and Medical Research Council)」から出ている「家庭における母乳の保存について」の下表をご参照ください。

 

■家庭における母乳の保存について

母乳の状態 室温 冷蔵庫内 冷凍庫
搾乳直後にふたのある容器に入れてあるもの 6〜8時間(26℃またはそれ以下)。可能なら冷蔵庫内へ 3〜5日間(4℃またはそれ以下)。奥のよく冷える場所に保存 冷蔵庫と一体型の冷凍庫内では2週間。冷蔵庫は別になっているタイプの冷凍庫内では3カ月。長期冷凍用の冷凍庫では6〜12カ月(−18℃またはそれ以下)。
冷蔵庫内で解凍してある母乳(温め前) 4時間またはそれ以内 24時間保存可 再冷凍しないこと
冷蔵庫から出して湯煎にした母乳 今回の授乳に使用する 4時間またはそれ以内の保存。4時間以上は破棄 再冷凍しないこと
赤ちゃんが飲み始めた母乳 今回の授乳のみ。残乳は破棄 破棄 破棄

Reference: ABA and NHMRC feeding Guideline for Health Workers 2003


働くママの妊娠・出産・育児奮闘記

スケッティーノ潤子
(すけってぃーのじゅんこ)

プロフィル◎ウロンゴン病院勤務助産師。日本の公立病院で助産師として20年間勤務後、2005年に来豪。国際認定ラクテーション・コンサルタントIBCLC(母乳育児のスペシャリスト)

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