親にできること−私の子育て体験

Heritage Language 継承日本語教育を考えよう


親にできること−私の子育て体験


家庭・学校・社会の環境

私の家庭はよくある国際結婚で、オーストラリア人の夫との間に2人の子ども(長男Y10、長女Y6)がいます。夫もある程度日本語を話しますが、家族の会話はほとんど英語です。なぜなら子どもたちも夫も、日常会話程度の日本語なら話せても、少し深い話題になるとどうしても英語でないと自分の意見をうまく表現できないからです。

子どもたちの日本語教育に関して、就学前まではほとんど日本語で話しかけ、日本語の絵本を読み聞かせてきましたし、日本語で教育してくれる幼稚園に通わせました。

さらに、長男はYKからY4まで5年間、長女はYKからY3まで4年間、日本人学校国際学級に席を置き、その間、毎日1時間の日本語の授業を受けていました。

それでも学校で一般の教科を全部英語で学び、社会の主言語も、テレビも映画も友達との会話もすべて英語だと、いずれ学習言語として英語の方が強くなってしまうのは時間の問題でした。

期待しすぎず、あきらめず

英語が主言語とはいえ、子どもたちはこれまでの教育によって、たとえ小学校2年生程度の読み書き能力、そして日常会話程度の会話力だとしても、少なくとも日本語の基礎は培ってきました。何も努力しなければ、間違いなく日本語はほとんどゼロになっていたことでしょう。

日本語教育に関して私が1つだけ心掛けてきたことは、「日本語を嫌いにさせないこと」です。

日本語を学ぶ環境に子どもを入れる(日本語補習校や日本人学校に通わせる)ことは大切ですが、1日1時間もしくは週3時間程度の学習で、日本にいる子どもたちと同じペースで国語を習得するよう期待するのは、よほどの条件(子どもの言語能力が高い、家庭言語が完全に日本語、毎年長期間日本に里帰りして小学校に通わせる、など)がそろわない限り、難しいと思います。

ましてや、国語学習レベルについていけないからと言って、子どもが日本語学習を断念してしまうとしたら、それこそ残念なことです。たとえ習得のペースは遅くてもあきらめずに続けていけば、少しずつ力が着いてくるのは間違いありません。大切なのは、早い上達を望むことではなく、あきらめないことです。

今、長男はハイスクールで再び日本語を学習しています。継続していくことが少しずつ力になっていると感じています。特にハイスクール以降、子どもが自ら日本や日本語に興味を持ち、自分で学習していけるような環境を作っていくことが、親の役目ではないかと感じています。


継承日本語教育を考えよう

西牟田佳奈(にしむたかな)

プロフィル◎日本企業の駐在員として3年間シドニー勤務。その後。シドニー日本クラブ理事、副会長を務め、日系の子どもたちの日本語教育支援に携わる。現在、翻訳業およびJCS日本語学校ノーザンビーチ校日本語教師

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