第2回:日本語環境構築法のアメとムチ

Let's Learn Japanese

Let’s Learn Japanese
土曜校カリスマ先生の
日本語のツボ教えます

実際の教育現場から、日本語を学ぶコツを伝授

第2回:日本語環境構築法のアメとムチ !?


Let's Learn Japanese
ムチ編:英語と日本語の境界線
子どもは教育機関に通い始めると同時に、英語を吸収して家庭に持ち込んできます。英語と日本語の境界線はしっかりと引きましょう。すなわち、家庭内もしくは日本人の親との会話は必ず日本語でするといったルールを作り、子どもが英語で話しかけてきた場合は、日本語に切り替えるよう促します。「お家では日本語でお話ししようね」はポジティブな動機付けの好例。「My teacher said…」という英語の発話に対し、「先生が何て言ったの ? 」と問い返すことは、子どもの心理的負担が少なく、訂正させられているという意識をほとんど与えない効果的な訂正方法です。そして、1度引いた境界線は絶対に変えてはいけません。英語の発話にある時は応じ、ある時は「日本語で」と言ったりすると、子どもは混乱します。言語の切り替えをテレビのチャンネルと考えてください。「Aチャンネルではこの番組、Bチャンネルではこの番組」といった具合に、子どもの言語使用にも「外では英語、家では日本語」という分かりやすさ、明瞭さが必要です。場所や相手による言語のチャンネルを設定・維持することは日本語を使う機会を確保できるのはもちろん、場所や相手によって決まった言語を使えるので、子どもも安心なのです。特に仕事や家事で多忙な場合は、ついつい子どもの英語の発話に反応してしまいがちですが、ここがこらえどころ。子どもに「家では日本語で話をするんだ」という意識が芽生え、それが実践できるようになるまで、辛抱強く日本語でコミュニケーションを取ってください。
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アメ編:ゲームの効用
日本語の学習の環境に遊びの要素があるに越したことはありません。ゲームは勉強という印象が薄い上に、みんなが楽しめる学習活動の王様です。「しりとり」は、いつでもどこでも誰でも準備なしでできる、日本語の特質を生かしたゲーム。これに類似したものに「山手線ゲーム」があります。「お題」を決め、それに見合った単語を順番に1つずつ言っていきます。お題が「食べ物」なら、「すし」「ハンバーガー」などの単語が答えとなります。ただし、しりとり同様、同じ単語は2回使えません。この上記2つのゲームを発展させたものが、「爆弾ゲーム」。単に言葉を言うのではなく、料理用タイマーをセットし、自分の順番の時にタイマーを手に持ちます。答えが言えたら次の人にタイマーをパス。タイマーが鳴ったらゲーム終了、タイマーを持っていた人が負けです。自分の順番でタイマーが鳴るのではないかというハラハラ、ドキドキ感が一層ゲームを盛り上げます。私の授業では上の写真のようなレモン型のタイマーを使うので、「レモン・ゲーム」として知られています。タイマーがない場合は、携帯電話のアラーム機能を活用しましょう。また、日本に行く際はぜひ東急ハンズなどにあるパーティー・グッズ売り場へお立ち寄りを。写真のゲームも私がそこで見つけたものです。これは「ことば博士」というゲームで、2人以上で遊びます。各自の持ち札が5枚×3列で15枚。写真中央の正方形が「土俵」で、土俵にある9つの平仮名を自由に組み合わせてことばを作るというゲームです。ことばを作れた人が持ち札を1枚土俵に上げることができ、最初に持ち札が全部なくなった人が「あがり」となります。普段、平仮名と接することの多い小学生の方が、大人より強かったりしますよ。皆さんも童心に帰り、上記のゲームで子どもと一緒に日本語のおさらいをしてみてはいかがでしょうか。


阿部圭志(あべ けいし)
プロフィル◎1997年よりシドニーで日本語教育に従事。カトリック系小学校、ニュー・サウス・ウェールズ大学、日本語たんけんセンター、インターナショナル・グラマースクールを経て、現在バンクスタウン・グラマースクール教職員。同年よりシドニー日本語土曜学校教職員を務める。

 

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