【医療特集2015】年に一度は健診へ行こう!

検診前の
予備知識

GP
産婦人科

歯科

眼科、カウンセリング
鍼灸、保険

QLD州の
GP、歯科

海外で暮らしていると、日本にいる時よりも医療の事情、またその支払いを支える保険の事情が複雑に感じられ、つい病院から足が遠のいてしまいがちだ。しかし、その間にも病気は進行している恐れが…。そこで今回は、興味はあったり、少しの異常があることが分かっているはずなのに、価格や保険のことを調べるのが億劫なばかりに解決を先延ばしにしているような人にうってつけの、病院を訪れる前に知っておきたい予備知識を一挙大公開。1日も早く不安を解消して、健康な体でオーストラリア生活を気持ちよく満喫しよう。

※本記事内に記載されている料金はあくまでも目安です。実際の受診料は病院や加入している保険制度によって大きく異なる場合があることをあらかじめご了承ください。なお、記事内ではメディケアも保険の一種として扱われています。
一般健診

病気の芽を摘み、健康度アップ!

健診のステップ例

診察費用の目安:パッケージ健診$450〜850程度(編集部調べ、すべて保険適用前)

※メディケアでカバーされる検査であればカード保持者は原則負担なし

協力=ナーマル・グレウォル先生(オブザーベトリー・タワー・メディカル・センター)
プロフィル◎アデレード大学卒。2000年に同院を開院した院長。ストレス・マネジメントや救急医学、職業保健に関する分野を専門としている。一般開業医として15年以上、日本人患者を診察してきた豊富な経験を持っており、現在は通訳者の福森さんとともに日本人の診察を行っている。

学校や職場での定期健康診断や、医療機関での人間ドックが一般的に行われている日本と違い、集団健診の慣行がないオーストラリアでは、自分の健康度をチェックするには自ら率先して健康診断を受けに行く必要がある。

予防に勝る治療なし

健診の目的は、病気の早期発見はもちろんだが、医師による問診や検査結果をもとに日ごろの生活習慣を見直して病気を予防することにもある。病気になってから治療するよりも、病気を予防するほうがあらゆる面で効率的なのだ。日本人の死因の上位を占める病気のうち、心疾患(心筋梗塞など)、脳血管系疾患(脳卒中など)は生活習慣病と呼ばれ、偏った食事など良くない生活習慣も原因の1つとなって引き起こされるので、そうした「偏り」を見つけるためにも健診は有効である。

健康診断を受ける方法としては、パッケージ型の健診を提供しているクリニックで一括して受ける方法と、GP(一般開業医)で自分の希望する検査を受ける方法とがある。前者では身長・体重測定、視力、聴力、呼吸器、心電図、尿、血液などの検査を一括して行える反面、それなりの費用がかかる。後者は、GPの診察料の範囲内でできる反面、自分から健康への懸念を伝えて必要な検査を申し出る必要がある。医師が不必要と判断した検査はしてもらえないので、GPとの相談が不可欠である。

血液検査では脂質、血糖、ビタミン、女性に多い貧血、飲酒習慣のある人が特に注意すべき肝臓や腎臓の状態について調べることができる。またがんのリスクなど、血液検査で分かることは多い。血液検査はメディケアでカバーされるので、メディケア・カードを持っている定住者であればGPに相談すると良い。

また、小さいお子さんがいる場合は4歳児健診がメディケアでカバーされるので、4歳の予防接種時に同時に受けると良い。身長、体重、視力、聴力、歯と歯茎、アレルギーを調べてくれる。

時間と費用

受診に際しては待ち時間を減らすためにも予約をしよう。健診内容によっては前夜から絶食が必要な場合もあるので確認すること。海外旅行保険に加入している人は、受診の際に保険証とパスポートを忘れずに。

所要時間は、パッケージ型の健診では通常約1時間、X線検査(レントゲン)やバリウム検査を加えて行う場合は約2時間かかると見ておこう。

検査費用は、メディケアでカバーされる検査であればカード保持者は原則負担なし。クリニックが提供するパッケージ型の健診では450〜850ドルが目安である。

検査結果が出たら

検査結果が出るまでの日数は健診内容によって異なる。血液・尿検査であれば数日、パッケージ型では2〜3週間が目安。検査結果が出たら、再度受診して医師の説明を受けよう。異常があった場合は再受診を促してくれるクリニックもあるが、連絡がないからと言って勝手に「異常なし」と判断しないほうが良い。たとえ数値が正常値の範囲内であっても、今回はたまたま「ギリギリセーフ」だったということもある。また、前回の数値と比較して、たとえばコレステロール値が今回急激に上がっていれば「要注意」ということになる。こうした変化を知るためにも、健診は毎年継続して、できれば同じクリニックで受けた方が良い。正常値の基準範囲が変動することもあるので、異常か正常かだけに注意を払うのではなく、健康管理全般について医師のアドバイスに耳を傾けることが大事である。

もし何か異常が発見された場合は、より詳しく調べるための再検査、あるいは専門医の受診を勧められるだろう。専門医の受診はGPが紹介状を書いてくれるので、そこに予約を入れて、必ず受診しよう。専門医によっては数カ月先まで予約がいっぱいということもあるため、早目に電話をすること。もし長く待つのが不安であれば、GPに別の専門医への紹介状を書いてもらうことも可能だ。

年に1度の健診が大切

健診の大切さは分かっていても、実際に体調が悪くなるまでは忙しさにかまけたりして、先延ばしにしてしまいがち。そこでお薦めしたいのが、「記念日健診」。誕生日や結婚記念日など、年に一度の記念日の前後を健診日と決めれば、「そろそろ健診時期だな」と覚えやすい。あるいは、「車だけじゃなくて自分の体もサービスに出そう」という感覚で、車検の時期に合わせるのも良いかもしれない。自分自身や大切な人の健康を守るために、健診を1年のプランの中に組み込みたい。

海外居住者は言葉の問題もあって医療機関の受診が遅れがちである。もし英語での受診が不安であれば、日本語の通じるクリニックを利用すると良い。健診結果を日本語で受け取れる所もある。

病気は知らないうちに進行していることもあるので、特に中高年になったら健康を過信することなく、健診を受けるようにしよう。

放っておくとこんなリスクも

体調に異常を感じないからと言って健康診断を長年受けずにいた場合、健診さえ受けていれば発見できた病気や、発病していなくてもリスクのある状態を見逃すことになる。例えば、久しぶりに受けた健診で血糖値が異常に高いことがわかり、自覚症状はなかったのに糖尿病と診断されることもある。また、病気と関係の深い食事習慣、運動習慣の有無、飲酒、喫煙など、日ごろ意識していない自分のライフスタイルを見直して改善する機会を逃すことにもなる。

病気の発見が遅れれば遅れるほど、治療が困難かつ複雑になる可能性があり、治癒までの時間が長くなるリスクを負うことになる。費用面での負担も大きくなり、仕事や家庭生活に与える影響も大きくなることは言うまでもない。

オーストラリアの保険制度

オーストラリアで使われる医療保険には、主に次の4種類が挙げられる。①市民権・永住権保持者を対象とした、メディケアと呼ばれる国民保険、②移住者、またはメディケアでは補償されない内容を求める永住者、市民権保持者が加入する民間医療保険、③海外からの留学生に加入が義務付けられるOverseas Student Health Cover(OSHC)、④ 一時的に滞在する人が使用する海外旅行傷害保険。メディケア以外は、どれも保険会社やプランによって補償内容が大きく異なるので、自分の体と相談して、必要にあった補償内容を選ぶことが大切だ。頻繁に利用するものは補償額の上限を高めに設定するなど、内容を見極めて賢く利用しよう。

歯科検診

気になったら放置しないが大原則

健診のステップ例

診察費用の目安:
検診の平均価格:$60〜200/フル(総合)検診の平均価格:$190〜390
(編集部調べ、すべて保険適用前)

※オーストラリアでの歯の治療はメディケアの対象外。歯の治療費を対象とした民間医療保険の健康保険に入っていない場合には全額負担となる

協力=ノックス・キム先生(シティ・ワールドタワー歯科)

プロフィル◎オーストラリア・シドニー大学歯科学部を卒業。キャンベラやストラスフィールドで勤務した後、03年にワールドタワー・レーザー歯科を開院。一般歯科治療のほかにも多くの歯科関連資格を保持。インビザライン特別推薦ドクター。ジャパン・インビザライン・フロンティア・メンバー、東京臨床協会(SJCD)、アメリカ審美歯科学会会員。シドニー大学臨床講師

日本に比べると保険制度が大きく異なるオーストラリアでの歯科治療。負担額が大きいからこそ、定期検診が大切になってくる。

一般的な検診コース

オーストラリアで受けられる歯科検診には、珍しいものも含めて主に次のようなものがある。①一般的な口内検査、②レーザー虫歯探知、③歯石除去(スケーリング)、④OPGパノラミックレントゲン、⑤口腔癌検診。しかし、定期的に検診を受けている人であれば必要な内容だけを診てもらえば十分。一般的に推奨されるオーストラリアでのフル検診の例としては、以下の流れが挙げられる。①口内検診、②スケーリングによる歯石の除去、③レントゲン撮影。レーザー虫歯探知やレントゲン撮影は、怪しい個所が見つかった時のみに使用されることが多い。口腔癌検診を希望する患者は、少数のクリニックしか取り扱っていないので事前に調査をしておくと良い。

プライベート保険の重要性

国民健康保険など国の保険が有効な日本と違い、オーストラリアでの歯科治療は、患者が全額負担するのが主流。そのため、安心して歯の治療を行いたい人は、それをカバーするプライベート保険に加入しておくことが重要となってくる。

オーストラリアにおける歯科治療の技術レベル

日本は歯科治療のレベルが高く、設備も整っているというイメージを抱く人がいる。しかし、実際には日本の歯医者のうちでトップ・レベルであると呼べるものは10パーセントなのに対して、オーストラリアで同レベルのクリニックは全体の30パーセントを占め、そのトップ・レベルにあたるクリニックを選べば、設備の充実度は両国ともほぼ同レベルなのだという。安心して任せられる上質のクリニックに出合うことができれば、技術面で神経質になる必要はないと言える。

放っておくとこんなリスクも

初期であれば詰め物で済んだのに、放置したことによって神経治療が必要になってしまうというケースは少なくない。最悪の場合、長期に渡って放置していたために治療が手遅れになり、抜歯に至るケースもある。治療を受けるタイミングが遅くなればなるほど、支払う代償は身体的にも金銭的にも大きくなるので、気になったら放置しないことはもちろん、異常が感じられなくても6カ月〜年に一度の検診をしっかり受けることが何よりも大切だ。

婦人科(乳がん)

早期発見が運命の分かれ道

乳がん検診のステップ例

乳がん診察費用の目安:
GPでの診察:$75〜80程度/マンモグラフィー・超音波検査:$200〜400程度
(編集部調べ、全て保険適用前)

※詳細は下記を参照

協力=鳥居泰宏先生(ノースブリッジ・ファミリー・クリニック)
プロフィル◎メルボルン大学医学部卒。日本人在住者の多いシドニー北部ノースブリッジで一般開業医を始めて29年。穏やかな語り口が印象的な優しい先生として知られる

日本女性の16人に1人はかかると言われているほど増えている乳がん。この病気は今や日本女性のがんの死亡原因のトップにもなっており、そのためどの国でも定期的な検診が推奨されている。オーストラリアと日本は、両国とも西洋医学の先進国であり、検査方法は、日本で行われているものと比べてもそれほど差はない。治療方法もほぼ同じと考えて良い。オーストラリアにいるからといって難しく考えずに、積極的に検診を受けよう。

自己チェックも有効的

乳がんは早期発見で治すことができる病気。年に一度、医師による乳房の触診を受けることはもちろん、月に一度、自分で乳房を触診する習慣をつけておこう。もし、しこりなどの変化を感じたら、すぐに病院へ。

検査方法の選定基準

日本では乳がん検査と言えば、マンモグラフィー検査が一般的だが、今回アドバイスを伺った鳥居先生によると、30〜40代と比較的若い人にとっては、マンモグラフィーを受ければ必ずしも安心というわけではないと言う。その理由としては、その年代の人は乳腺密度が高く、造影検査だけに頼っていると乳がんを見落とされるリスクが高くなることなどが挙げられる。検査方法は医師の判断のうえ、納得して決めよう。

費用について

乳がんの診察費用については、一部メディケアでカバーされる検査内容もあるが、症状が出ておらず、あくまでも健診目的でマンモグラフィーや超音波検査を受けるという場合には、そのほとんどはメディケアへのクレームは原則不可となる。しかし、スクリーニング・マンモグラフィーは、対象がメディケア・カードを保持した40〜70歳の患者であれば、2年に一度無料で受診が可能。いずれにしても各ケースによるので、事前に病院や保健機関に問い合わせを。さらなる詳細は政府のウェブサイト(Web: www.cancerscreening.gov.au)などからも確認できる。

放っておくとこんなリスクも

乳がんや子宮がんといった婦人科の病気は、早期発見が運命の分かれ道となる。早くから発見することさえできれば、手術や放射線治療などによって完治する可能性は高い。発見が遅ければ、腫瘍は大きくなって転移して拡がってしまう。最悪の場合、がん細胞が血液やリンパ液の流れに乗ってほかの臓器へ移転していくこともある。そうなると、乳房全摘でも済まされない事態となる。

婦人科検診(子宮がん)

発症率は減少傾向、しかし油断は禁物

子宮がん検診のステップ例

予約 → PAP smear・Thinprepによる細胞検査 → 検査結果 → 子宮体がんの疑いがある場合には、産婦人科へ → 内視鏡で子宮の内部検診・細胞検査

子宮がん診察費用の目安:
GPでの子宮頸がんの診察:$75~80程度/PAP smear ・Thinprepによる子宮頸がん検査:$10~程度/産婦人科での子宮体がん検査(入院費と全身麻酔費などを含む):$1000~2000程度
(編集部調べ、全て保険適用前)

※メディケアでカバーされるPAP smear検査費用はカード保持者は原則負担なし。それ以外のケースでは、検査後に検査機関から直接請求書が送られてくるが、その際の個人負担額の目安は保険がなければ30-40ドル程度、メディケア保持者であれば10~20 ドル程度。同じPAP smearでもThinprep というもう少し詳しく細胞をみる検査を医師が依頼している場合には、その費用は40~50ドル程度に及ぶ場合もある。
※産婦人科での診療分をメディケアでクレームする場合には、一般開業医からの紹介状(Referal letter)が必要。

協力=鳥居泰宏先生(ノースブリッジ・ファミリー・クリニック)
プロフィル◎メルボルン大学医学部卒。日本人在住者の多いシドニー北部ノースブリッジで一般開業医を始めて29年。穏やかな語り口が印象的な優しい先生として知られる

発症率は全体的に減少傾向

子宮頸がんワクチンの普及で子宮頸がんの発症率は減少傾向にある。しかしそれでも、オーストラリアでは性交の経験がある人には2年に一度の頻度でのPAP smear検査の受診が推奨されている。

一度感染すると、進行は予想以上に早いことも

わずか4~5年検診を怠っていただけでもかなり子宮癌が進んでいたというケースもあるので油断は禁物だ。子宮頸がんはほとんどの場合、ヒト乳頭腫ウイルスの感染によるもので、運悪くアグレッシブなウイルスに感染していると進行がかなり早いこともある。

放っておくとこんなリスクも

乳がんとともに、子宮がんも早期発見が運命の分かれ道となる。早くから発見することさえできれば、完治する可能性は高いので、日ごろから高く意識を持つことが大切。発見が遅く、病気がかなり進行していれば、子宮摘出に至る。最悪の場合には摘出だけでは済まされず、命の存続に差し支える。

理学療法検診

痛みを解消して、体力を向上!

健診のステップ例①高齢者の脚力テスト

検診のステップ例②アスリートのためのシーズン前検診

診察費用の目安:$100〜1,000程度(編集部調べ、すべて保険適用前)

※オーストラリアでのスポーツ検診や治療はメディケアの対象外。対象とした民間医療保険の健康保険に入っていない場合には全額負担となる
※項目数に比例して金額は高くなる

協力=奥谷匡弘先生(メトロ・フィジオセラピー・アンド・インジュリー・クリニック)
プロフィル◎シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。

理学療法による検診

ケガや捻挫、またリハビリテーションなどの目的で来院する人が多いフィジオセラピーだが、検診目的である旨を伝えれば、予防医学の見地からもアドバイスをしてもらえる。問題の改善に必要な運動療法を処方してもらったり、姿勢改善、生活習慣改善のアドバイスを受けることが可能だ。

高齢者やスポーツをする人には特にお薦め

55歳以上の人は、自分の筋力を再認識するためにも筋骨格系の検診を受けることが大切。衰えによる障害、ロコモティブ症候群の予防にも有効となる。

また、プロ・アマを問わずスポーツ選手に特化した検診もある。各スポーツ特有のケガや疾患に罹りやすい部位や可能性を認識した上で、治療や運動療法を行うので、ケガをしにくい体を作って安全に運動を続けることができる。

検診方法の例

理学療法検診は、患者個人の体力レベルと目的を把握してカスタマイズした内容にすることで効果を上げる。そこで今回は、特定のケースに特化したいくつかの例をご紹介。

まず最初に挙げるのは、上記の表の例①にもある、高齢者の転倒事故などを未然に防ぐために有効な脚力テスト。バランス力、敏捷性、協調力などを総合的に測るための各テストを理学療法士の目の前で実施する。各テストは単純な動きの繰り返しだが、年齢別の平均値などと比較しつつ専門的見地からのアドバイスを与えてもらえるので、客観的に自分の体の状態を把握することができる。

次に人気な検診の例として挙げられるのが、スポーツを無理なく長期的に行いたい人のためのスポーツ検診だ。各関節の可動域をくまなく検査して必要とされる可動域が失われていないかを判断したり、計測できる限りのカラダの数値を集めて分析することによって、ケガの予防や、選手のトレーニングメニューに反映させる。

放っておくとこんなリスクも

人の体は、加齢に伴い知らないうちに筋力や運動器が衰えてくる。そこで、自身の身体を把握し、適正な運動を行い、体力の維持、改善をしていくことが極めて重要だ。例えば、普段の姿勢の悪さからくる慢性的な肩こりや首のコリなどは放っておくと頚椎ヘルニアなどを引き起こす可能性がある。そうなると絶えず腕のしびれや背中に痛みがあるつらい症状も引き起こし、日常生活に支障をきたすことも。

皮膚がん

病気の芽を摘み、健康度アップ!

健診のステップ例 特定のほくろの健診:

予約 → 問題のありそうなほくろを医師に見せる → 写真で経過を記録しながら定期的に検診 → 異常があれば再検査/皮膚科へ

健診のステップ例 一般的な定期健診:

予約 → 一部の皮膚を切り取り、細胞検診 → 検査結果 → 異常があれば再検査

診察費用の目安:
一般開業医での通常の診察:$75~80程度/皮膚科での診察:$200~300程度
(編集部調べ、全て保険適用前)

※一般開業医で受診した場合、メディケアでカバーされる検査であればカード保持者は原則負担なし
※ほくろや皮膚の一部を切除した場合は診察費はさらに費用がかかる。検査機関から送られている検査費も個人負担額が生じる

協力=鳥居泰宏先生(ノースブリッジ・ファミリー・クリニック)
プロフィル◎メルボルン大学医学部卒。日本人在住者の多いシドニー北部ノースブリッジで一般開業医を始めて29年。穏やかな語り口が印象的な優しい先生として知られる

健診方法と受診が可能な場所

皮膚がん健診は、一般開業医が運営しているようなスキン・キャンサー・クリニックや、皮膚がんに関心の高い一般開業医で受診することができる。悪性である疑いの高いほくろは細胞診を行う。この場合は、針でほくろの一部を、もしくはほくろ全体を採取した上で、検査機関へ送る。ほくろ全体を採る場合には、ほくろの周りの皮膚も一定のマージンを確保して切除する。

特に注意が必要なのはこんな人

一般的に、生まれつき色白の人。また、強い日差しに比較的長時間あたっている人は要注意とされるこの病気。該当する人は、定期的に皮膚科を訪れて全身の肌のチェックを受けておくことが勧められる。

悪性のほくろの見分け方

ほくろの大半は良性のものだが、次のような場合には特に要注意、①色に濃淡がある、または急に濃くなった、②モザイク状に見える、③輪郭がぎざぎざしている、④皮膚から盛りあがっている、⑤急に大きくなった、⑥かゆみ、痛み、出血が見られる

放っておくとこんなリスクも

黄色人種である日本人は、メラニン色素の少ない白人に比べると皮膚がんの発症率は低い。このため、皮膚がんに対する意識も低くなりがちだが、日本と比べて1年中大量に紫外線が降り注いでいるオーストラリアに住んでいる以上、油断は禁物だ。紫外線対策をしながら、皮膚がん対策をすることが重要となる。発症後も放っておけば、リンパ節に転移したり、真皮や皮下組織を越えて筋肉・軟骨・骨にまで広がる恐れがある。さらに悪化すると遠く離れた臓器や組織に遠隔転移しているケースも…。


オーストラリアでの検眼について
 目の違和感などを感じた際はGPで診察を受ける人も多いだろうが、目に関しては、専門の検眼医(Optometrist=オプトメトリスト)を訪れることをお勧めする。検眼医は適したコンタクト・レンズや眼鏡を作るための検眼のほか、眼の健康診断や眼病の早期発見も行う。また、眼病治療のライセンスを所持する検眼医であれば、結膜炎などの初歩的な眼病の治療もしてもらえる。自分の視力に合わないコンタクト・レンズや眼鏡を使い続けていると、学校や仕事でのパフォーマンスの悪化や頭痛などにつながるケースもある。また、ぼやけ、かすみなどの一般的な症状でも、高血圧や糖尿病による眼底の出血などが見られることがあり、糖尿病の人の場合、失明に至るプロセスが始まっているケースもある。これは特別な検眼器具なしでは探知できないため、やはり症状があれば検眼医・眼科医を訪れたいところ。日本では失明原因の1位とされている緑内障は40歳以上の約20人に1人という高い罹患率。失明を防ぐためには早期発見が大事であり、定期検診を習慣にすることが呼びかけられているという。目に現れたさまざまな体の不調を探知することを役目とする検眼医。気になることがあればぜひ一度訪れてみることをお勧めしたい。

協力=ステファニー・エンジー先生(パリミキ・ウエストフィールド・チャッツウッド店)
プロフィル
◎ニューサウスウェールズ大学卒。現在は、眼鏡/サングラスの日本最大手の1つであるパリミキに勤め、検眼を行っている。

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